私はモブになる

17 me one day�� ページ20

「A〜
そんな所で何してんの〜？」

「鬼ごっこの次は木登りだぁー！！」




…しまった


年少たちが
黙っている筈が無かった。


『私はまだ捕まってないからこの木に隠れてるのー！
ノーマンに見つからないように
みんなおくちチャックしてね！』


できる人！っと私が手を挙げると小さい子たちはみんなで「はーーーーーい！！！！」っと元気よく返事をくれた。
この声がノーマンの耳に届いていない事を願いながら私は子どもたちの可愛さに はぁ と息を吐いた。
みんな可愛いなぁ天使だ。

おっといけない
頰が緩む。
なんだか今日は表情筋が弱い気がする。
しっかりしろ私。




レ「…。」



先程注意したばかりなのに、
やけにレイがさっきからチラチラとこちらを見ているような気がするが、最早気にしたら負けな気がしてきた。


レイもお年頃なのね。きっと。




ド「何コレ！
既にほぼ全滅じゃん！」


ドンが今帰ってきたってことは、あの森に残るはエマだけ。
今頃ノーマンとエマで一騎打ちをおこなってるだろう
…いいな
やっぱり見に行きたかった…





『レイ、あと何分？』



レ「…10分」



『ありがと』

そういうとAは少し楽な体勢に座り直した

エマひとりで10分持ち堪えられるだろう。
最後はノーマンの策略にはまっちゃうだろうけど…


ギ「あーあ、これでドンも捕まっちゃったし」

ア「あと生き残ってるのは…エマ…と」

フィル「Aもだよ！ 」

ギルダとアンナの隣に居たフィルが答えた
さっき戻ってきたばっかりなのに現状把握が早い


フ「僕驚いちゃった！
Aって鬼ごっこ強いんだね！」

ギ「実はそうなのよ
あれは確か4歳か5歳の頃だったかしら…
鬼ごっこをするたびにいつも最後まで残っていたのよ
最近はめっきり参加しなくなっちゃったけどね

そう言えばあの頃から既にハウスの天才少女って呼ばれていたわ」

ア「そうそう
私もその話は少し大きくなってから聞いたわ。

鬼ごっこ久しぶりな筈なのに
やっぱりAは“天才少女”ね」

それを皮切りにアンナとギルダは昔の話をしだし、
Aもその話に少し耳を傾けた




『(…そんなこともあったなぁ)』


なんて鬼ごっこの最中だったことなど忘れて聞き入って居た


レ「…おい、逃げなくて良いのかよ。」



『ん？
…あ。』




ふと枝の隙間を見るといつのまに帰って来たのか
ばっちりノーマンと目があった



『レイ、あと何分』


レ「3分」



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