ころころわんこ《N.Y》 (ページ26)

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時はすぎて夏休みに突入した。

有志とは、連絡は取り合っているけど

なかなか会えない日々が続いた。

これなら、学校に行ってた方が

有志と会えるしマシなんじゃないかなぁ、なんて。

お昼を食べた後は、夏休みの宿題を進めた。

今日やるって決めてたとこまでやったら

暇になっちゃって。

『あー…有志、今日も練習かなぁ……。』

無意識に出たことば。

有志のことばかり考えていた…

その時だった。

自分のスマホから着信音が鳴ったので

誰だろう？と思い見てみると、

そこには"西田有志"の文字。

何で？と思いながらも電話に出た。

『もしもし有志？』

西田｢あ、A！よかった出てくれて。
いきなりでごめんなぁ。｣

『大丈夫だよ。有志、今日は練習なかったの？』

西田｢んーん、7時から11時まで部活やったよ。
…あ、そうそう！今日な、1年と先輩らで
チーム組んで試合形式の練習してさ、そしたら
俺らのチーム先輩達のチームに勝ってん！｣

『え、先輩に勝ったの!? すごいねぇ、有志。』

彼が心底嬉しそうに話してくれるので、

こちらも当事者かのように聞いていて嬉しくなる。

西田｢そー！俺いっぱいスパイクとサーブ決めた！
…あー、Aにも見せたいなぁ。｣

有志は嬉しそうに話していたかと思えば

しょんぼりとしたような声色に変わる。

『うん、私も見てみたいな。有志のプレー。』

私の恋人は、コートではどんな感じなんだろうとか

バレーをしている彼を見たことがないから、

想像でしか頭に入ってこない。

もしかしたら、そんな想像よりももっと凄いかも。

電話越しに、あ、そうだった！と

有志が声を上げたのでどうしたの？と聞くと

西田｢そうそう、あのさ！Aって
夏休み、ぎっしり予定決まっとる感じ？？｣

『え、ううん。そうでも無いけど…。どうして？』

西田｢あー、その…先輩がマネージャーが
欲しいって言ってて。んで、候補者がおらんって
話になってんけど、キャプテンの先輩が
《西田の彼女でええんちゃう？》って…。｣

『う、うん……？』

西田｢俺もな、断ったんよ。先輩達の代で
マネージャーがおったことないらしいし、
左右分からん状態でAにやらせるのもって。｣

『…私、バレー部の皆さんが良ければやるよ？』

西田｢え、ほんと?ありがと…！｣

.

こうして私はバレー部のマネージャーとなった。

暇じゃなくなるなぁ。なんて。