ころころわんこ《N.Y》 (ページ17)

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同じ高校の男子生徒はメッセージに

気付いてくれたようで、

這っていた男性の手が

下半身から離れたのがわかった。

涙がボロボロ落ちて、

訳の分からないまま最寄りの駅について、

そのまま男子生徒に連れられ、男性と

電車を降りた。

駅員に事情を説明してくれている、男子生徒であろう声。

＿＿＿＿聞き覚えがある…。

そう思って、その男子生徒の方を見ると、

そこには有志くんの姿が映る。

『え、有志くん……ｯ？』

西田｢Aっ！大丈夫？辛いよな、
ちょっとまっててな、ささっと事情説明しちゃうから。｣

そう言って有志くんはまた駅員さんと話をする。

そこから何分か経って、2人の警察の方が来てくれた。

駅員さんの方から、警察の方に話をしてくれて

話を聞いている、もう1人の警察の方が、

｢高校どこ？｣と聞いてきたので高校名を言うと

高校に電話をかけて下さっているようだった。

その間、有志くんは私の手をきゅっと優しく握って、

｢怖かったなぁ、もう大丈夫やからね、A。｣

と、小さい子をあやすように言う。

そこに有志くんがいることと、

手を握られている安心感でもっと

涙がこぼれた。

.

一連の事が終わって、

後は警察の方が任せてくださいと仰ったので

高校に、有志くんと一緒に向かう。

『有志くん、ありがとう……。
まさか有志くんとは思わなかったよ。』

西田｢俺もまさかAが隣におって、
しかもあんなことされとるなんて思わんかったわ。
……ほんとに大丈夫？｣

『……うん、大丈夫。ちょっと怖かったけど。』

へへ、と笑って言うと有志くんは、

｢無理しやんでええから。｣と

手をぎゅっと握って歩いてくれた。

学校に着くと、もう一限は半分くらい終わっていたので

職員室で届け出などを書いたり、

そういったことに関しての手続きをして、2人で

2限目から授業に参加した。

その間も有志くんはちょこちょこ

｢大丈夫？｣｢俺がおるからね｣と

私を心配して、慰めてくれた。

.

本当に優しいなぁ。これじゃあ

好きな人がいるって分かってるのに、もっと好きになっちゃうよ。