ころころわんこ《N.Y》 (ページ14)

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昇降口で、自転車置き場に向かう優奈と別れ、

昇降口の端の壁に持たれかかって有志くんが

降りてくるのを待った。

5分ほどスマホをいじって待っていると、

下駄箱から靴を出して履き、

出入り口に向かっていく有志くんの姿が見えた。

有志くんは私に気付いていないのか

そのまま出入り口を抜けて

出ていってしまったので、

有志くん、と名前を呼んだ。

西田｢A！教室もう誰もおらんかったから
帰ったんかと思った……！｣

『優奈と話したいことがあってね、
一緒に降りてきたの。多分昇降口にいれば
分かるかなって思ったけど、ごめんね。』

西田｢んーん！全然！こっちも待たせてごめんな。｣

有志くんはちょっとしゅんとして謝る。

『全然大丈夫だよ。…そういえば、さっきの子って
有志くんのお友達？』

ちょっと気になって聞いてしまう。

西田｢え、何で？｣

『ううん、何か知り合いだったみたいだし、
ちょっと気になっただけ。』

西田｢あー……同中で女バレにいた子でさ、
さっき中学生の頃から好きやったって
告白されたぁ。｣

やっぱり告白だったんだ………。

自分でも何故か焦っているのが分かる。

西田｢でも俺さ、ｯ好きな人おるから
ごめんって断った、｣

ちょっとだけ、目の前が歪んで見えた。

.

好きな子、居たんだなぁ。