ちび、動きます《Y.M》

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『あー…………、別に大した事じゃないの。』


私らはぽつりとことばを零す。


西田｢大したことじゃなくても言ってや。
大事なマネージャーなんやからさ。｣



石川｢そうだよAちゃん、有志の言う通り。｣



『…その、この先のことが不安になっちゃって。
私ってば、W杯に携わってるっていうのに、
感覚的には高校の時のマネージャーって感じで。
責任感とか、足りてないのかなとか、
役に立ててるかなとか、色々考えてて。
まだ2日目なのに、こんなことばっか考えて。
…ごめんね、一番頑張ってるのは選手の
皆さんなのに。』



私がぽつぽつと話をかさねれば、



2人はふっと笑った。



西田｢それで悩んでたん？…あのさ、その頑張る
俺達をサポートしとるのがマネージャーの
Aと竹内さんで、俺達には
必要不可欠なんよ。やからさ、あんま
肩肘張らずに気楽にやってや。｣



有志が、私の肩をポンポンと叩きながら言う。



石川｢役にたってるかって、そんなの当たり前じゃん。
ご飯作ってくれるのもAちゃん達だし、
今日だってマサさんのテーピングしてたでしょ。
…マサさんね、動きやすいって喜んでたんだよ。
だから、AちゃんはAちゃんらしい
やり方でやって欲しい。
俺達が勝てるように、これからも応援してよ。｣



『有志、祐希くん…………。』




有志くんに続いて祐希くんも励ましの言葉をくれる。



＿＿＿こんなの、ただの面倒臭い女だ。




私は、ぱちっと自分の頬をたたいて



2人に言った。



『2人共、ありがとう。
…そうだよね、私が弱気になったら
皆さんにも影響しちゃうかもだもんね。
私、ちょっと自信持てたかも。
明日からも頑張るよ！』



西田｢おー、その意気やで。
…っしゃ、俺も明日も頑張る！｣



悩みも吹っ飛んだところで、



3人でそのまま話していると



コンコンとノックの音がした。



｢Aちゃん！｣




『竹内さん！……あ！晩御飯！！
すみませんっ、もう作っちゃいましたか？』




竹内｢いいのよ、今日は私、腕を存分に
奮いたい気分だったから！
ご飯はできたから、盛りつけだけしてくれる？｣



『はい！有志、祐希くん、ご飯できたって！』




石川｢まじ？やった、早く食べよ！｣



西田｢腹減った！はよいこ！｣



有志と祐希くん、そして竹内さんと私で


食堂に。



.




食べ終えたら、皆さんと別れて



部屋に帰り、ぐっすり眠った。

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