無一郎の大切な幼馴染み

羽織 ページ40

貴女『見てみて！！いっぱいあるよ！どれも綺麗！』





羽織屋に行くと、其処には沢山の綺麗な羽織があった

思わず、感嘆の声を漏らす





無一郎「本当だ…」



貴女『これも綺麗だなぁ。あっ、これも綺麗！』




　
どれも綺麗なものばかりで、目移りしてしまう





無一郎「これ、今日中に決まるの？」



貴女『だって、どれも綺麗だし……そうだ！むいくんが選んでよ！！』



無一郎「僕？」



貴女『折角だから、むいくんに選んで欲しいの！
私っぽい感じの、選んでくれそうだしさ！』



無一郎「別に良いけど……」





むいくんはそう言いながらも最初から決まっていたかのように、一枚の羽織を手に取って私に見せた





貴女『わぁ〜、綺麗！』



無一郎「別に、偶然目に止まっただけだから」





むいくんが持っていた羽織は雪の模様をしていて、袖口は緑色に包まれていた


前着てた羽織と似ていて、むいくんが私の為を思って選んでくれたと伝わってくる





貴女『流石、むいくん……本当に男の子？』



無一郎「男だよ」





そう言いながら、むいくんは私を睨んだ


いやだって顔可愛いし、女装してもバレないんじゃない？





貴女『じゃあ、私買ってくるよ！』



無一郎「僕が買うよ」



貴女『いいよ。むいくんは選んでくれたんだから、それに私が買いたいの！』





私はむいくんから羽織を受け取って、店主であるお婆さんに羽織を渡す





貴女『これ下さい！』



お婆さん「アンタ達、恋仲かい？仲が良いんだねぇ」



貴女『恋仲！？いや、私達そんな関係じゃ…』



お婆さん「そうだ。その羽織、無料であげるよ
恋仲を見ると、何だか昔を思い出してねぇ」





お婆さん、話聞いて！！

恋仲じゃないのに、話を進めるお婆さん


伊黒さんみたい



いや、伊黒さんよりマシかもしれない

だって私が目覚めて直ぐにネチネチ言われた


それも物凄く正論で……





貴女『そ、そうですか。ですが、あの……』



無一郎「良いんじゃないの」





私が思い迷っていると、隣にいたむいくんが口を開いた





貴女『で、でも…』



無一郎「良いって言ってくれてるんだから」





むいくんはそう言ってるけど、良いのかな？





貴女『あ、ありがとうございます……』



お婆さん「それじゃあ、気を付けて」





お婆さんにそう言われ、私達は渋々羽織屋を出た



でも、何か複雑な感じ……

〃→←〃

ラッキーカラー

あずきいろ

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