愛と歌声を失った少女【暗殺教室】 (ページ32)

今日:8 hit、昨日:65 hit、合計:589,537 hit

・ページ32

＿＿＿

数分して殺せんせーがカルマを抱えて崖下から上がってきた

渚「…カルマ君

平然と無茶したね」

カルマ「別にぃ…」

崖下を見下ろしながらも少し戸惑う渚
カルマは何とも思っていないようだ
少し離れたところでAは内心、ホッとしていた

カルマ「今のが考えた限りじゃ
一番殺せると思ったんだけど」

殺せん「おやぁ？
もうネタ切れですか？

報復用の手入れ道具はまだ沢山ありますよ？

君も案外チョロいですねぇ」

殺せんせーの触手には美顔ローラーやパック、カチューシャなど…
明らかに女子のものと思える道具があった

そして昨日、カルマにおちょくられた言葉をそのまま返してやった

ここまで言われると当然…

カルマ「(…殺意が湧いてくる)」

こうなる

渚も何とも言えない状態だ
Aも澄ました顔ではあるが似たようことを思っていた

A「(でも…カルマの呼吸音が変わった…)」

カルマ「(けどさっきまでとなんか違う)

殺すよ明日にでも」

カルマは親指を首もとにピッと流す
その表情は吹っ切れた様子だった

殺せん「(健康的でさわやかな殺意

もう手入れの必要は無さそうですね)」

カルマの様子に殺せんせーは顔色を朱色にし
丸マークを浮かべていた

カルマ「じゃ帰ろうぜ渚君月島ちゃん

帰りメシ食ってこーよ」

A「(あの財布って…)」

殺せん「ん？」

カルマはガマ口の財布をポンポンとキャッチしながら殺せんせーの横を通る

その財布に殺せんせーは何かに気づいた

殺せん「あー！！

ちょッそれ先生の財布！？」

A「(やっぱり…)」

カルマ「だから職員室に無防備で置いとくなって」

殺せん「返しなさい！！」

カルマ「いいよー」

いつの間にか財布を盗られていたことに動揺する殺せんせー
返すようカルマに言えば、財布を投げ渡す

だがAは何か違和感を感じた

A「(朝の時は小銭の音がしたのに…

今全然聞こえないということは中身は…)」

殺せん「え？な中身抜かれてますけど！？」

慌てて財布の中身を確認する殺せんせー
中身がないことに気付き、尋ねる

カルマ「はした金だったから募金しちゃった」

殺せん「にゅやーッ」

ものすごくいい笑顔で答えるカルマ
殺せんせーはショックで触手を顔に当てると
『ムンクの叫び』のようになっていた

カルマの行動にプンスカ怒る殺せんせー
明日はどうやって暗殺しようかと考えながらも渚は仲裁に入っていた