31話 ページ42
「ずっと貴方を見ていたいんですけど、座らせてしまったらほぼ確実に救助が来るでしょうねぇ…気が変わりました！今回は皆さんを攻撃しません！」
『は？え？……え？』
私を置いて喋り続けるリッパー。
だが彼は、今回のゲームで皆を傷付けないと言っている。それは私にとって凄く有り難い事。
『ほ、本当…？！皆を…本当に傷付けない…？』
そう聞くとリッパーは口角を上げ、笑顔を作る。
「えぇ、勿論。只、それは貴方が抵抗しなければ…の話ですがね。」
『え、ど、どういう事…』
「私は誰の邪魔を入らず、貴方の絶望に満ちた、苦痛に歪んだその顔を見ていたいんです。なので、貴方が大人しくしていれば私は他の方たちを傷付けたりしませんよ。」
そうか、つまり分かりやすく言えば、
『私が皆の身代わりになればいいんでしょう？』
私が呆れたようにそう言うと、リッパーは気味の悪い笑顔を浮かべ、ゆっくりと、頷いた。
そこから先は、ハッキリ言って地獄だった。
その後すぐに風船に吊り上げられ、マップの隅へと移動させられる。
そして私は元は兵隊だ。何処をどう抑えれば痛みを和らげられるか、失血を遅めることができるかなど承知している。そうしてあまり変化を起こさない私をリッパーは不満に思ったらしく、起死回生を使えと言ってきたのだ。
「貴方が起死回生を使い、負傷状態に戻った途端、その薄い身体を切り裂いたら…どのような苦痛が待っているのでしょうか。どのような表情を見してくれるのでしょうか？」
本当に歪んでいる。
私は自己犠牲を当たり前とし、起死回生を使いその場でリッパーの攻撃を身構える。
身体が安心した瞬間に私を切り裂くその鉤爪。
怠さと寒さに続き、頭がクラクラと何かを考えることさえも辛くなってきた最中。
美しく、眩しいほどに輝いていたその銀世界も、私の血で真っ赤に染まる。
じわじわと傷から痛みが伝ってくる。
もういっその事ひとおもいに殺して欲しかった。
私自身、舌を噛み切って意識を手放してしまいたかった。
でも、それが出来ないのは…脳裏に浮かぶ仲間の顔が私の頭の中に貼り付いていたから。
痛みに耐えるべく唇を噛み締め、涙が溢れないように目を強く瞑る。
そんな表情を見て更に嬉しそうな顔をするリッパー。
解読が全て終わったのか、けたたましく鳴るサイレンと同時に私の身体は軽くなり、負傷状態へと戻る。
そして私に降りかかる鉤爪。
『っ…助けて…』
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カシューナッツ炒め(プロフ) - うぉううぉう…めっちゃ面白いですね！！続き楽しみにしてます！！ですが嫌われてる要素が少ないと思います！嫌われストーリーという設定や夢主設定等はめちゃめちゃいいのにそれがもったいないと思います！！応援してます！ (2021年8月24日 0時) (
レス) id: ea7d5bd598 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - 小説自体はとても面白いです。だけどイラストが足枷となってしまってかこれ以上読むことが出来ません。ごめんなさい (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - イラストを載せるのはいいと思うんですが、私はイラスト載せられるとイメージがイラストに定着してしまうので見たい人だけ見れるようにして欲しいです。 (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - ウィリアムくんまさかの左右w (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠いろ(プロフ) - かりんさん» 関係設定を評価してくださるのは本当に嬉しいです！！Twitterフォロー？！もうめちゃくちゃ嬉しいですぅぅ…！！ありがとうございますっ！！ (2020年4月17日 20時) (レス) id: c3dcbab85a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠いろ | 作成日時：2020年3月31日 18時
