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さて宴もそろそろ終盤。
私はかなり酒に強く、他の人と飲み比べをしていたらいつの間にか結構な人たちが潰れかけていた。
ほとんど男性なのでプライド折ってしまった気もするが、まぁいいか。
私は終わりのムードの中尿意を感じたのでトイレにそそくさと向かう。
スッキリしながら出てくると、男子トイレからもちょうど人が出てきて、その人は後輩だった。
「あ、先輩」
「ショッピ君か。同じタイミングだね」
「そうっすね」
ショッピは勿論本名じゃない。
彼の愛用している煙草がショートピースで、それを知ったコネさんがショッピ君と呼び始めたのが広まった感じだ。
いつもは関わらない私でさえ使うのだから、コネさんの影響力は相変わらず凄いと思う。
「先輩、仕事辞めるんっすね」
「うん、そうだね」
「寂しくなります」
おや、普段らコネさんから始まり先輩であろうとも煽りまくる生意気な彼なのに。
「生意気な後輩が素直になった、だと」
「うるさいです」
少しそれが面白くってからかえば、彼は面白くなさそうに言葉を返した。
ごめんて。
「先輩ってコネシマさんから聞いてましたけど、酒本当に強いんすね。ほとんど酔ってないんじゃないんすか?」
「あれくらい楽勝だよ」
「なら、この後解散になると思うんで一軒寄りませんか?近くにいいところ知ってるんですよ」
「え」
え。
まさかショッピ君に飲みに誘われるとは。
あぁ、けど彼とは他の人よりかはコネさんの影響もあって関わる機会が多かったか。
それにしたって彼のような性格の持ち主から多少関わったくらいの異性の先輩を誘うとは思えないが。
「あ、用事とか何かあるんなら大丈夫っすよ」
「いや、それは別に大丈夫だけど……それって何人で飲むの?」
「俺と先輩、二人の予定です」
「え」
つい二回目のえ、を言ってしまった。
いや、まじでえ?ショッピ君いきなりどうしたの?急に積極的になったね?え?
正直あまりにも予想外過ぎて脳が混乱してしまう。
言ってしまえばそこまで変わらない自分の表情筋が仕事している。
「ふふ、先輩慌てすぎでしょ。そんなふうに驚くんですね」
それなのに目の前の後輩はこれまたいつもとは違う煽りの笑みではなく、優しい笑みを私に零した。
何なんだ、この大盤振る舞いは。
コネさんは顔面がイケメンなのだが、この後輩も負けておらずイケメンだ。
てか正直好みなんです勘弁してください。
イケメンに慣れていない喪女の私がイケメンの笑みを直で食らってみろ、死ぬ。
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百瀬のえる(プロフ) - 25歳shpおじさんとjkちゃん狂おしいほど好きです先生生徒好きは実はここ発祥ですjkとshpの組合せンァ゛゛゛゛ (2020年10月8日 1時) (レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - えなさん» ありがとうございます!そう褒めてくださるととても嬉しいです…!まだ続編は決めてませんが、そのときはまた見ていってくれると嬉しいです(*´ω`*) (2019年3月8日 10時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。貴方様の綴る物語が大好きで、短編の中にも夢主ちゃんの想いや情景が繊細に書かれていて読みながらとても心を動かされています。別作品もあってお忙しいとは思いますが、次回作があるのであれば心からお待ちしております…! (2019年3月8日 3時) (レス) id: 4d21cb4889 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます!カクテルは自分の中でも一番良作だと思っているのでとても嬉しいです。期待に添えるよう、頑張っていきますね! (2019年3月3日 2時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 素敵です…特にカクテルの話が好きで何回も読み返してしまいます。これからも頑張ってください!! (2019年3月3日 0時) (レス) id: db3c90213f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜有 | 作成日時:2019年2月19日 14時