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そんなことを思考停止しかける頭を無理やり動かしながら考える。
と言っても、Aはその知らぬはずの男のことをなぜだかどこかで見たことがあるように感じた。
紫色のヘルメットとゴーグル。
サラサラとしたヘルメットから見える前髪。
キラキラと静かに光り輝くかのような紫色の瞳。
それらすべてをAは知っていた。
「ゆっ、ぴ……？」
震える口でなんとか言葉を吐き出す。
そしてその言葉に嬉しそうに男は笑ってAのほほに手を添えた。
「ふふ、やっぱりわかりましたか？そうです、貴方の恋人ことゆっぴですよ。と言っても本来の名前はショッピって言うんすけど。ああ、これもやっと伝えれて良かった……ね、俺の名前を呼んで？」
「しょっ……ぴ……？」
「そう、ショッピ」
言われるがままにショッピと名乗る男の名前を呼ぶと、それはそれはとてもとろけるかのような微笑みを見せ喜んだ。
その笑顔に心を撃たれかけるもなんとか耐え、疑問を続ける。
「なん、え？人間だった……？今まのでのは全部ゆっぴ…ショッピが？なんで……てか、恋人？」
「いっぱい質問してきますね。ふふ、いいですよ。これから時間はたっぷりあるのだし」
頬絵添えてあった手はそのまま、ゆっくりと顔を近づけ始める。
Aはそれに驚くも、何故か体が動かない。
「俺達はあの晩、恋人になったんすよ……月の下で約束したでしょ」
「もう、離しませんから」
「ね、Aさん」
「俺達、ずっとこれから一緒っすよ」
意味不明な言葉を続けるショッピと名乗ったゆっくりだった男。
あまりにも不可思議で可笑しくて見知らぬ男に押し倒されるというシチュエーションというのに、Aはやはり動けない。
ゆっくり、ゆっくりと男との顔の距離が近づいていく。
Aは目を瞑らないまま、男の引き込まれるかのようなアメジストの瞳に目を奪われた。
「貴方が望むのなら、掃除も料理もなんだって」
「好き、Aさん」
「愛してる」
甘い言葉は人生に疲れていたOLの心を溶かすのは容易なことで。
＿＿やがて、二人の距離はゼロとなる。
この世に絶望していた女が、生きる希望となった元ゆっくりから幸せになれるという誘いをされたら断れるのか。
それは＿＿
距離がゼロになるとき、そっとまぶたを瞑った時点でお察しなのだろう。
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夜有(プロフ) - 百瀬のえるさん» ありがとう御座います！いつかまた会えるときが来ましたら、そのときはよろしくお願いします。 (2021年1月1日 23時) (
レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬のえる(プロフ) - 更新ありがとうございました！大好きです！！お疲れ様でした！ (2021年1月1日 23時) (レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - はい！それではお願いします！ (2019年10月15日 16時) (携帯から) (レス) id: 11da0246b8 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 黒音さん» あ、いえ！その可能性も考えてたのにそこも確認してなかった私もすみませんでした。リクエスト承りました！ (2019年10月15日 16時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - 返信ありがとうございます!個人的にはハッピーエンドがいいですが作者さんの書きやすい方で良いですよ(それと夢主が死んだ後の事なのですが前世の時の事です。分かりづらくてすみませんでした) (2019年10月15日 16時) (携帯から) (レス) id: 11da0246b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜有 | 作成日時：2019年4月7日 22時
