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雨が降っているのに傘もさしていないその人は、どのぐらいからいるのか、全身ずぶ濡れだった。



(もう、ついてない日はとことんついてない…。)



その人が座っている横を通らないと家には帰れず、少しの恐怖心を持ちながら入口へと向かう。



横を通る時にチラッと見ると、その人は男の人で座って俯いたまま。



特に何をされる訳でもなくてそのまま直ぐにマンションに入った。



何も無かったことに安堵しながらも後ろをチラッと見る。


いやいや、気にしない、早く帰らないと番組始まっちゃう。



エレベーターのボタンを押して、くるのを待っていたけど、どうしてもその人のことが気になる。



もしかしてほんとに具合が悪いかもしれない。



そんなことを思い始めた時、エレベーターの扉が開いた。



そのまま乗り込もうとしたけど、結局乗らずマンションの入口を出て、その人に傘を差し向けた。



「あの、大丈夫ですか…?」




私が恐る恐るそう聞くと、それまで反応しなかったその人が私の方をゆっくり見上げた。

3→←出会い



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作成日時:2019年7月28日 19時

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