10 ページ10
「…お前のとこの生徒に似ていないか？イレイザーヘッド」
相澤にブラドキングも続いた。相澤は頷き轟にそっくりだ、と呟いた。
ブラドキングの言う通り、性別は異なるものの確かに涼しげな目元や顔つきがよく似ていた。
「ああ。個性が“氷結”というのも気になる」
「相澤君、何が言いたいんだい？」
「エンデヴァーには確か双子の子供がいたはずです」
「…まさか君、」
オールマイトが重々しく口を開いた。
どことなく悲しそうな、悔しそうな雰囲気を纏っている。
「確かに、エンデヴァーには轟少年と双子の娘がいた。でも彼女は3年前に死んでいるんだ。…敵が起こした火事によってね」
轟Aは、オールマイトが救えなかった者の1人だった。
敵が起こした火事で、目立たない路地にある廃屋での事件だったため、通報が遅れ、オールマイトが到着したときには既に廃屋は倒壊していた。
木でできていたため、火が回るのが早かったのだろう。
結局彼女の遺体は損傷が激しく、身元確認が難しい状態だった。
だが通学鞄から生徒証が発見され、家族に確認を取りようやく轟Aのものだと判断できたのだ。
目撃者がいなかったため捜査は難航し、敵は未だに捕まっていない、やるせない事件だった。
「やはりあの事件は何かひっかかる。敵の手がかりが一つもないというのも今時ほとんどあり得ません」
ブラドキングも思う所があったのか、確かにな、と頷いた。
「イレイザーヘッドは(人1)(人2)が轟Aだと？」
「別にそうと決まったわけじゃない、だが何かひっかかることは確かだ」
相澤は、面倒ごとが増えるのはごめんだとばかりにため息をついた。
「しかし本当に受け入れてしまうとは、信用に足る人物であるといえなければ合理的じゃない」
「だから俺達にもしばらく監視を任されたんだろう。生徒を危険に晒さないためにもな」
会議では、急なことに戸惑う者もいたが最終的には宮内庁との協力体制を敷くということに決定した。
1週間後には彼女がやってくる。
この少女が本当に事件解決の手がかりになるのか？
相澤が資料に目をやると、やはり轟によく似た顔の少女がこちらをまっすぐ見つめていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 908人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
牧島(プロフ) - 政府役人さん» コメントありがとうございます！受験終わったら沢山更新できるように頑張ります！ (2019年2月17日 11時) (
レス) id: 5ab46ea605 (このIDを非表示/違反報告)
政府役人 - 更新頑張ってください。体調に気をつけて無理せず更新してください。応援してます牧島様。 (2019年2月16日 21時) (レス) id: b826bbf687 (このIDを非表示/違反報告)
牧島(プロフ) - 元姫さん» コメントありがとうございます！嬉しくて励みになります。この連休はたくさん更新できるように頑張ります！ (2019年2月9日 16時) (レス) id: 5ab46ea605 (このIDを非表示/違反報告)
牧島(プロフ) - 黄泉さん» ありがとうございます！！とても嬉しいです！なかなか話が進んでいないんですが頑張って進めます！ (2019年2月9日 16時) (レス) id: 5ab46ea605 (このIDを非表示/違反報告)
元姫 - とてもおもしろいです！更新楽しみにしています！ (2019年2月7日 22時) (レス) id: 5cc9b8b817 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：牧島 | 作成日時：2019年1月26日 23時
