episode:9 ページ9
『お手伝いしてくれてありがとう』
「いえ、これぐらいなんてことありません」
『お料理もとても上手だし、手際もとっても良かったわ本当にありがとう』
そう言えば照れくさそうに頬をぽりぽりとかく千寿郎君。その姿は杏寿郎さんそっくりだ。
嗚呼、美しき哉。
本当によく似ており愛らしい兄弟だ。ついつい見とれてぼんやりとしてしまう。
いけない、しっかりしなくては。まだ鍛錬をしていらっしゃるだろう杏寿郎さんにもお声掛けをしに行かねばならない。
柱となれば長期間家を空けることも多いという。きっと千寿郎君と杏寿郎さんで積もる話もあるだろう。声をかけに行くのは千寿郎君にお願いしよう、そう思い声をかける。
『千寿郎君、杏寿郎さんが鍛錬をしていらっしゃるから声をかけてきてくれないかしら？盛り付けと御膳を運ぶのはやっておくから』
「いえ、姉上が行かれた方が兄上もお喜びになるでしょう。後のことは私がやっておきますので姉上、兄上のもとにいってくださいませ」
──はて、私が言って喜ばれるとは？
思わず小首を傾げた。私が何かを言う前にさぁさぁと千寿郎君に背を押される。
『わかったわ、ではあとお願いするわね』
「はい、お任せ下さい」
「あ、兄上は道場にいると思います」
『ありがとう、行ってくるわね』
きっとお使いになるでしょうから、と千寿郎君から手渡された手ぬぐいを持ってその場をあとにする。うん、千寿郎君、将来良いお嫁さんになれそうだ。
1人廊下を歩きながらそんなことを考える。
道場が近づくにつれぴりぴりとした空気に変わる。道場に着きそっと扉から中を覗くと杏寿郎さんがひとり黙々と鍛錬をしていた。
木刀を振る姿、全てのものを圧倒するかのような雰囲気。炎を宿した瞳は一点を見つめ轟轟と燃え盛っていた。
私のような素人目でもわかる、やはりこの人は凄い人なんだと。思わず息を潜めてじっと見つめてしまう。
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にゃんちゅう(プロフ) - 凄くきゅんきゅんして読んでて楽しいです！更新楽しみにしてます！ (2021年1月23日 0時) (
レス) id: b651083bfd (このIDを非表示/違反報告)
杏鈴 - 最高！！！！ (2020年3月10日 7時) (レス) id: f613416e65 (このIDを非表示/違反報告)
しょっと - どきどきします、最高でした！応援してます！！！ (2020年2月24日 0時) (レス) id: 457ce269b7 (このIDを非表示/違反報告)
さささ - たまらなく好きです、夫婦最高たまらんです、、、 (2020年2月20日 15時) (レス) id: 893fe78743 (このIDを非表示/違反報告)
とみおか。 - 煉獄杏寿郎が可愛い！！！！！！よもやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ！！！……失礼。好きです(( (2020年2月19日 22時) (レス) id: 4f05449344 (このIDを非表示/違反報告)
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