付き合ってんの？�� ページ9
少し早い時間だというのにかなり人がいて手を離せばはぐれてしまいそうだ。そんなことをぼんやり考えながらバレないように横目で浴衣姿の彼女を見た。
いつもの制服や私服とは違う雰囲気にまた鼓動が速くなる。彼女がこちらを視線をやる前に慌てて視線を逸らす。
しかし見ていたことがバレてしまった。
『……何よ』
「別に」
『似合わないとか思ってんでしょどうせ』
「はぁ？別にそんなこと言うてないやんけ、むしろかわっ！」
思わず口走ってしまったと思い慌てて口を閉じる。服の袖を引かれそちらを向けば顔の赤い彼女。彼女は目線を逸らしながら口を開いた。
『……ちゃんと最後まで言って』
ぎゅっと目を閉じた彼女の袖を握る力がほんのちょっと強くなる。こちらも覚悟を決めて声に出す。
「…その、かわいい…よう似合っとるで」
俺の言葉を聞いてばっと顔を上げこちらを向いた彼女とばちりと視線が合う。
『かわ、かわいい！？』
「…おう」
『ほ、ほんま？？』
「…こんなことで嘘つかへん」
『まって、どうしよ。すごい嬉しい』
真っ赤な顔で喜ぶその姿を見て自分の頬に熱が集まるのがわかる。心底嬉しそうな表情にまた惹かれるのだ。
なんだか照れくさくて話題を変えるために口を開く。
「おいてくで！！」
『シャオロン顔真っ赤やん、どないしたん？』
「う、うっさいわ！なんでもない！」
『ふーん』
また人混みの中をゆっくりと歩き始めた。
『あーもう、シャオロンがいつも言わんこと言うからびっくりして喉乾いたわ、ジュース奢って』
「なんでやねん」
しっかりと手を握り直す。
俺の隣でケラケラと笑う彼女を盗み見ながらいつもと違う姿が見れるならたまには声に出してみようと思える、そんな瞬間であった。
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マエガミくん - ケンカップルか?ケンカップルだ (2020年8月7日 11時) (
レス) id: aad72d0660 (このIDを非表示/違反報告)
ライシャ - ｢一目惚れなめんなよ！｣いいですね！ (2019年12月31日 7時) (レス) id: 2cbf0b2098 (このIDを非表示/違反報告)
茶壺(プロフ) - 完結おめでとうございます！読むたびに可愛さで胸が締め付けられる最高の青春でした！次回作も楽しみに待ってます！ありがとうございました (2019年11月29日 18時) (レス) id: 88f565e6cf (このIDを非表示/違反報告)
あっぷぅティー - 素直になれない二人がめっちゃ可愛いです！！応援してます！更新頑張って下さい！ (2019年7月30日 20時) (レス) id: 9e25397495 (このIDを非表示/違反報告)
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