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side M
「貴方は…俺達のことどう思ってる…?」
そう言った瞬間、翔くんの瞳から涙が零れた。
ぽろん、ぽろん…って綺麗な涙が。
S 「あ、えと……っ」
自分でもよく分からないうちに涙が零れてしまっているという感じの翔くんのその零れ落ちる涙がもったいなくて、そっと親指で拭った。
M 「翔くん…」
A 「ごめんね、急ぎ過ぎたね…」
O 「今すぐになんて言わないから」
N 「…あなたに泣かれたらどうしたらいいかわかんないんだよ…」
俺らが拭えば拭うほど零れる涙に焦っていると、翔くんが俺たちの手をそっと握ってその手の中に包み込んだ。
S 「ちがう…ちがうの…」
A 「翔ちゃん…」
S 「みんなの気持ちが…うれしくて…」
O 「それって…」
S 「…でも、駄目だよ…」
N 「………どうして?」
S 「…こんなこと、言ったら最低だって思われることはわかってるけど……みんなの中から一人なんて選べない……俺…みんなのことが好きなんだよ…」
そう言うとぎゅっと唇を噛んで俯いた。
そんな翔くんを見てそっと三人に目配せした。
三人とも仕方が無いなぁって顔で微笑んでいる。
M 「翔くん…俺らは選べなんて、言ってないよ」
S 「…え…?」
A 「案の定っていうかなんて言うかさ〜、翔ちゃんは色々考えすぎなの!」
N 「そうそう、頭いいのに変なとこ抜けてるんだから」
S 「あの…」
O 「一人が選べないなら、みんなを選んじゃえばいいんだよ」
S 「……へ…?」
気を抜かれてなんとも間抜けな顔をしている翔くん。
…でも、そんな翔くんも愛しくて仕方ないんだから俺たちは本当にどうしようもない。
O 「翔くん、人の愛の形なんていくらでもあるんだよ」
A 「俺たちはみんな翔ちゃんが好き。それだけでよくない?」
M 「他の人に理解されなくても…俺たちが分かり合えていればそれでいいと思うんだ」
N 「だから……翔さん、俺たちと付き合ってください」
S 「……っ…」
翔くんの瞳がまた涙でいっぱいになって、
S 「…はい」
その涙を堪えて見せた笑顔はこれまでに見たどんなものよりも綺麗だった。
四人で翔くんを愛し、
俺たちもまた愛され、支え合う…
これが、俺たちのカタチ。
誰に何を言われようと崩れない
綺麗な幸福の五角形______
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大翔(プロフ) - kkさん» 主催の者ではなく、練習曲29番を書かせて頂いただけの私ですが、主催の方がまだ作者さんを続けていらっしゃるのか分からないので、かわりにコメント失礼します。コメントしていただいて本当にありがとうございます! (2020年1月24日 23時) (レス) id: 7ff2e3a340 (このIDを非表示/違反報告)
kk - 素晴らしい作品!全部すごく良かったです。s受け尊し。 (2020年1月24日 23時) (レス) id: c2bfb0fe32 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - Sさん» 突然失礼します、向日葵です。こちらはあまり更新しないのですが、青い鳥にて騒いでることが多いのでよろしければ…(@air__ap) (2018年2月1日 16時) (レス) id: 76ade9e498 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 返信ありがとうございます!! 早速検索かけます! (2018年1月28日 3時) (レス) id: 539aafff22 (このIDを非表示/違反報告)
あま音(プロフ) - Sさん» 恋色は青い鳥(@Kw_C2a)もやっておりますよ(*^^*) (2018年1月27日 9時) (レス) id: 95b1de6e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:「赤い櫻は冬に咲く」製作委員会 x他6人 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月21日 9時