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駄目だ、ダメだ、だめだ。
心の中で何回言い聞かせたか分からない。
相手は自分の研究対象だ。
しかも母の命を奪ったおぞましい生物だ。
決して、認めてはいけない。
毎日彼の部屋に足を運ぶのが、苦じゃなくなるどころか、少しづつ楽しみになっている事なんて。
吸われているときに首筋から感じる微かな刺激が、快く感じている事なんて。
そんな風にもやもやと過ごしていたある日、俺は急に所長――父親に呼び出されたのだった。
「……翔。仕事ははかどっているか」
「…相変わらずですけど」
元々仕事人間だった父に会うのは、俺が就職してから数回しかなかったから、何となく言葉が固くなってしまう。
「まあまあ、そんなに緊張するな。
今日はな、お前に朗報がある」
そう言って、朗らかにほほ笑んだ父は、思いもよらなかったことを言った。
「昇格…？」
「そうだ。お前がカズの事を頑張って研究してくれたおかげで、吸血鬼の生態がほとんど解明されたんだ。その貢献を認めて、お前を昇格させることにした」
「じゃあ、カズは…？」
「もう私たちの研究材料として、ここに閉じ込めておく理由もなくなったしね。
彼の事は、元居た場所へ帰そうと思う。
引継ぎは三日後、ちょうどお前の誕生日だ。それまでの間、ゆっくり休めよ」
こうして俺は突然の連休を手に入れたわけだが……
気分は、重かった。
そう言えばここに入ってから、連休をもらえたことは無かったかもしれない。
でも、気持ちの切り替えがうまくいかない。
カズが元居た場所に帰るとしたら、二度と彼に会うことは無いだろう。
端正な顔をしている彼の事だから、きっとそこら辺にいる適当なやつを捕まえて、その血を吸って過ごすのだ。
彼の中で、俺の存在は、きっと薄れていく。
俺は彼に、こんなに囚われているのに――
――頭の中で、パチンと何かがはじけた。
もう、降参だ。
……カズの事が、好きで好きでたまらない……
気持ちは…認めざるを得ないけど。
それを伝えるなんていう気は…毛頭なかった。
このまま、誕生日…昇格の日を迎えて。
区切りを付けないといけない。
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大翔(プロフ) - kkさん» 主催の者ではなく、練習曲29番を書かせて頂いただけの私ですが、主催の方がまだ作者さんを続けていらっしゃるのか分からないので、かわりにコメント失礼します。コメントしていただいて本当にありがとうございます！ (2020年1月24日 23時) (
レス) id: 7ff2e3a340 (このIDを非表示/違反報告)
kk - 素晴らしい作品！全部すごく良かったです。s受け尊し。 (2020年1月24日 23時) (レス) id: c2bfb0fe32 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - Sさん» 突然失礼します、向日葵です。こちらはあまり更新しないのですが、青い鳥にて騒いでることが多いのでよろしければ…(@air__ap) (2018年2月1日 16時) (レス) id: 76ade9e498 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 返信ありがとうございます！！ 早速検索かけます！ (2018年1月28日 3時) (レス) id: 539aafff22 (このIDを非表示/違反報告)
あま音(プロフ) - Sさん» 恋色は青い鳥(@Kw_C2a)もやっておりますよ(*^^*) (2018年1月27日 9時) (レス) id: 95b1de6e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：｢赤い櫻は冬に咲く｣製作委員会
x他6人 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月21日 9時
