酒 ページ39
「うま〜い！」
「ほんま美味そうに飲むなぁ」
約1ヶ月ぶりに二人でゆっくり過ごす夜。テンションが上がって、いつもより早いペースでお酒がすすむ。
「飲むん早ない？」
「隆くんと一緒だからかなぁ、すんごく美味しいんだよね〜」
普段、素直に甘えることができない分、こういうときにお酒をの力を借りて、とことん甘えることにしている。
「りゅーくーん」
「なんや？」
「りゅーくんって、本当にスタイルいいよねぇ」
ぱっと画像検索の画面を見せる。
「おい、これ見んのやめーや」
隆くんは勝手に操作して、その画面を閉じる。
「あー！！何してるの！保存する前だったのに！」
「保存せんでも、ここに本物おるやろ」
「そうだけどさぁ、こう、カメラに向かってキメてるのがいいんじゃん」
履歴からもう一度開き、改めて眺める。
「じゃあAは、カメラ越しの俺やないと嫌なんかぁ」
あからさまにそっぽを向く隆くんに慌てて、
「ごめんー！今、目の前にいる隆くんが一番だよ！！ほんとに！」
ぎゅっと抱きつき、彼の肩に顔を埋める。
「俺のことめっちゃ好きやん〜」
満更でもなく笑う彼に、私の意識はもう別のところにいっていて。
「わー！隆くんの匂いがする〜」
くんくんと服の匂いを嗅ぐ私の髪を、隆くんは手でゆっくりと梳いてくれる。その気持ちよさから、段々と眠たくなってくる。
「んー…」
「もうおねむなん？」
「ん…」
「ここで寝てええよ。向こう運んだるから」
その優しい声にさらに眠気が増し、私はそのまま深い眠りに落ちた。
「はぁ、ほんっまかわええなぁ…このまま離さずに一日中一緒におりたい」
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作者名：みぃこ | 作成日時：2023年2月16日 15時
