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「紫耀ー！置いてくぞ！」
そう岸くんの呼ぶ声
「紫耀さいくらテスト見返しても点数は変わんないよ」
と紫耀の背中を撫でてあげる有香
「何回見ても11点」
そう言い顔を暗くする紫耀
海が見える駅で数少ない電車を4人で待つ
これがいつもの私たちだ
「まあまあ気にすんなって
俺もそんなに良くなかったし」
「そんなこと言って岸くん
70点はとったんじゃん」
岸くんが慰めても紫耀には無駄だった
「私も数学は50点だったし
今度から4人で土日勉強会しようよ！」
そう可愛らしい声で有香が言った
「どこで？」
「まあAの家なら和室とかいっぱいあるし
Aはなんでも教えてくれるでしょ？
岸くんもまあまあ出来るし．どう？」
「いいじゃん！」
有香がそんな提案をすると
顔が一気に明るくなった紫耀に無理とはいえなかった
「でも，土日は岸くんと私は写真部はそんなにないけど，紫耀はサッカーあるし，有香だってバレーは？」
「大丈夫大丈夫。午前しか練習ないしね」
「そんだよ！決まり決まり！」
岸くんも良いなんて言ってなくて
それがすごく気になった
「岸くんは良いの？」
「あっうん」
紫耀とは違ってちゃんと名札もしてピアスなんて
まだ空けてなくてカメラを持ってると
すごくカッコいいのに
近くにこんな人が居るのに
どうして私は紫耀の事が好きになったのか
それは
昔の自分に聞いても答えは出てこないはずだ
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作者名：ライオン | 作成日時：2019年10月6日 20時
