【4.】 ページ28
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A side
はじめさんが自動販売機でお水かなんか買ってたから待ってたら、いつのまにか怖いお兄さん達に囲まれて話しかけられていた。
男1「おねーさん1人？」
男2「俺らとどう？」
男3「いいお店知ってるんだよね！行こうよ？」
「あっ、そういうの困るんでいいです」
すぐに知らんぷりしてそっぽを向くが、逃してはもらえず。
男2「えーいいじゃん！行こうよ」
ニヤニヤと笑うのがまた不気味で、絶対について行っちゃいけないってわかる。
男1「近いからさ！おねーさんに似合う服たくさんあるって！」
男の1人が私の腕を掴む。
咄嗟に振りほどこうとするが力差がすごくて敵わない。
「あ、あの困るんです、そういうのっ」
必死に抵抗していると、視界が暗くなって包まれている感覚になる。
あれ？と顔を上げると、それははじめさんで。
は「この子、俺の女だから手出さないでくんね？」
と、私の腕を掴んでいた男の腕をつねりながら言い放った。
男1「チッ！男持ちかよ、」
男2「いこーぜーつまんねぇ」
男3「せっかくいい女がいたってのによぉ」
男達は人の波の中に消えて行った。
「あ、あの……」
はじめさんは、何も言わず私の腕を引いて人のいない路地まで連れて行ってくれた。
そして勢いよく頭を下げて、
は「ごめん！自分のことばっかりでAが可愛いのに1人にしてしまって！本当にすみませんでした！」
「えぇ、大丈夫だよそんな可愛いなんてありえな……」
は「うぅ〜……ごめんよぉ……」
そう言って泣きそうになりながら私を抱きしめた。
「わぁっ」
身長差があるから、抱きしめ辛そうだけどしっかりと強く抱きしめる。
は「マジで怖かったよね……だって俺も怖かったもん……」
私の頭を撫でる。
「……でも、助けてくれた時のはじめさん、すごいかっこよかったですよ？」
は「……え？」
「あ、えと、ヒーローみたいでした！」
そういって背伸びをしてはじめさんの頭を撫でてやると、
は「えへへ、行こっかA」
秒で機嫌が良くなって私の手を握って歩き出す。
「あの、手……」
は「繋がなきゃ俺歩かないよ？」
「あ、は、はい……」
私も怖くなかったわけではない。
でもはじめさんが絶対に助けてくれるって信じてたし、その通りだったから。
は「あーあちー……まだ春でしょー？しっかりしてよー」
独り言を言いながら私の手をしっかり離さない。
ちょっとだけ、わかった気がしました。
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作者名：999 | 作成日時：2019年6月4日 2時
