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あぁ、本当に君は俺を喜ばせる天才なんじゃないのか。









A、君も誰よりも暖かくて、優しい匂いのする人だよ。









Aを抱き締めれば、Aが幸せそうに頬をほころばせた。









「たんじろうのにおいに、つつまれて、なんだかうれしいなぁ」









声が、どんどん小さくなっていく。









呼吸がゆっくり、浅くなって、









「A、だめだ死なないでくれ、俺を置いていかないでくれ、お願いだ!!」









「たんじろう、」









うたって









もう一度、私がねむるまで









俺の願いを聞いてか聞かずか、Aはそんなことを言い出した。









もう聞こえないはずの耳をすませるように、耳元の髪をゆっくりとかけて。









「わかっ、た」









Aの正真正銘最後のお願いだ。









「こんこん、小山の子うさぎは
なぁぜにお耳が長うござる」









昔、弟や妹たちに歌ったように、優しく、良い夢を見れるように祈りながら。









「小さい時にかあさまが
長い木の葉を食べたゆえ」









お腹の辺りを優しく叩いて、よく眠れるように。









「そーれでお耳が長うござる」









君の耳には届かずとも、君の心に届くように。









「こんこん、小山の子うさぎは
なぁぜに、お目目が赤うござる」









Aの呼吸が、ゆっくりになる。









どんどん、歌っていくのに合わせて、小さく、ゆっくりに。









「小さい時に、かあさまが
赤い木の実を食べたゆえ」









A。


いかないで。









「そーれでお目目が」









Aが、幸せそうに笑った。









それから、小さな、本当に小さな声で「ありがとう、」と呟いて。









「赤う、ござる」

耳もとに、やさしいうたを。→←・



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設定タグ:鬼滅の刃 , 死ネタ , 炭治郎   
作品ジャンル:アニメ
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みょん(プロフ) - 複雑な気持ちになりました。貴重な体験、楽しい時間をありがとうございました。! 長文失礼しましたm(_ _;)m (2023年3月19日 21時) (レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - なりました。夢主の気持ちもめっちゃ分かるし炭治郎の気持ちもわかります。五感がなくなっていくという感覚などは、分からないけれど、本当に夢主になったような気持ちで読めることができました。作者様は本当に凄いですね。この作品を読んで言葉で表せないくらい (2023年3月19日 21時) (レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - めっちゃ感動しました(泣)大号泣です!感無量です。神作品を作ってくださってありがとうございます。特に最後の子守唄を歌うシーン。段々と炭治郎の声が聴こえてこなくなって、もっと大きな声で歌ってとお願いするシーンがなんというか、とても切ない気持ちに (2023年3月19日 21時) (レス) @page36 id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
ワンコ - 感動(>人<;) (2021年3月29日 23時) (レス) id: 1e9b1e52b8 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - 柱の物語みたいです (2021年1月19日 22時) (レス) id: 751c2cfce8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハナ | 作成日時:2019年11月23日 10時

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