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「誰かれ構わず、言ったりしないんだけどな」
「え？」
「Aが、特別だから言うんだよ。」
それってどういう意味？
そんな言い方されたら、私、都合よく解釈しちゃうよ。
「それ、どういう」
「好きだ、A。あ、愛してるの方の、好きだ！！」
その恥ずかしそうな声音に、炭治郎のはにかむ姿が目の奥に浮かんだ。
あぁ、あなたのその姿を見ることの出来ない己の眼の、なんと憎いことか。
じわり、と涙が瞳から溢れて、紅いであろう自分の頬に流れ出す。
「それで、Aの気持ち…は、聞いていいか？」
おずおずと聞いてくる炭治郎が可愛らしくて、ついふふ、と笑ってしまった。
そんなの、決まってる。
弱りきった体の力をめいっぱいに使って、炭治郎に抱きつく。
いつもならこんなこと出来ないのに、出来てしまうのはきっと、あなたがすきだから。
「私も…私も、ずっと」
あなたを、お慕いしておりました。
そう言った途端、炭治郎にもぎゅうと抱き締められる。
強く、そして優しく。
頬に当たる炭治郎の耳が熱く、あなたが私の言葉にどれだけ喜んでくれているのかが分かって。
嬉しいのと同時に、自分の運命が心の底から憎らしくなった。
あぁ神様、私の命の灯火か消えようという時に、こんな仕打ちありますか。
彼と想いあって、彼を残して死んでいく私に、これ以上の罰を与えようというのですか。
…ごめんね、炭治郎。
私は私の体のこと、誰よりも分かってる。
だからね。
･
･
今が最後だってことも、悲しいくらいに分かってるの。
あなたを想うなら、貴方がこれから私を思い出して悲しい思いをしないように、あなたの言葉を断るべきだったと思う。
でも、私はあなたにずっと私を覚えていて欲しい。
あなたの心の中に、私を置いていて欲しい。
ごめんね、でもお願い。
わたしをわすれないで。
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みょん(プロフ) - 複雑な気持ちになりました。貴重な体験、楽しい時間をありがとうございました。！ 長文失礼しましたm(_ _;)m (2023年3月19日 21時) (
レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - なりました。夢主の気持ちもめっちゃ分かるし炭治郎の気持ちもわかります。五感がなくなっていくという感覚などは、分からないけれど、本当に夢主になったような気持ちで読めることができました。作者様は本当に凄いですね。この作品を読んで言葉で表せないくらい (2023年3月19日 21時) (レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - めっちゃ感動しました(泣)大号泣です！感無量です。神作品を作ってくださってありがとうございます。特に最後の子守唄を歌うシーン。段々と炭治郎の声が聴こえてこなくなって、もっと大きな声で歌ってとお願いするシーンがなんというか、とても切ない気持ちに (2023年3月19日 21時) (レス) @page36 id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
ワンコ - 感動(＞人＜;) (2021年3月29日 23時) (レス) id: 1e9b1e52b8 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - 柱の物語みたいです (2021年1月19日 22時) (レス) id: 751c2cfce8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハナ | 作成日時：2019年11月23日 10時
