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善逸の顔が、夜の明かりの元でも分かるくらいに白くなっていくのが見えた。









瞼に添えられた指先が、かすかに震えている。









「うそ、なんで、もう…?」









途切れ途切れに善逸が出した言葉は、すぐに夜闇に溶けていく。









善逸は瞳いっぱいに涙をためながら、堪えるように唇を噛んでいた。









だめだめ、そんなことしたら血が出ちゃう。









私の瞼に添えられた手をそっと掴んで、その手を私の首元につけた。









「大丈夫、まだ生きてるよ。ちゃんと脈、動いてるでしょ」









「そういうことじゃない!!今は、今はそりゃ動いてるよ、分かってるよ!でもさ、でも、もうあとちょっとしか、無いじゃないか…」









眉間に深いシワを寄せながら、善逸は溜まった涙を必死に流すまいとしている。









そんなこと、しなくたっていいのに。









「善逸、あのね、お願いがあるの」









「なんだよ改まって…Aのお願いはロクな事がないから嫌だ」









「酷いなぁ…」









「一応、言ってみてよ」









「善逸、あのね、泣いてもいいのよ」









「へ、」









「私なんかね、泣けないの。
泣きたいのに泣けない。
最近頭が上手く回らなくて、泣くってなんだっけ、とか考えちゃうのよ。涙が出ないというか、どこか他人事のような気がして、自分のために泣けない。だからね、お願い。

私の代わりに泣いてくれないかな。」









そう言うと、善逸の瞳から堰を切ったようにボロボロと涙がそのまろい頬を伝っては流れ落ちていった。









いつみても綺麗な瞳だなぁ、なんて思いながら善逸の涙が零れていくのを見つめていた。









「善逸が泣いてくれるとね、私までスッキリするの。
善逸が私の分まで泣いてくれてるからかなぁ」









「馬鹿…ほんとに、馬鹿だよ…」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 死ネタ , 炭治郎   
作品ジャンル:アニメ
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みょん(プロフ) - 複雑な気持ちになりました。貴重な体験、楽しい時間をありがとうございました。! 長文失礼しましたm(_ _;)m (2023年3月19日 21時) (レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - なりました。夢主の気持ちもめっちゃ分かるし炭治郎の気持ちもわかります。五感がなくなっていくという感覚などは、分からないけれど、本当に夢主になったような気持ちで読めることができました。作者様は本当に凄いですね。この作品を読んで言葉で表せないくらい (2023年3月19日 21時) (レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - めっちゃ感動しました(泣)大号泣です!感無量です。神作品を作ってくださってありがとうございます。特に最後の子守唄を歌うシーン。段々と炭治郎の声が聴こえてこなくなって、もっと大きな声で歌ってとお願いするシーンがなんというか、とても切ない気持ちに (2023年3月19日 21時) (レス) @page36 id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
ワンコ - 感動(>人<;) (2021年3月29日 23時) (レス) id: 1e9b1e52b8 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - 柱の物語みたいです (2021年1月19日 22時) (レス) id: 751c2cfce8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハナ | 作成日時:2019年11月23日 10時

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