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「水瀬」
背中にかけられたのは、悲鳴嶼さんの声。
おどろいた、悲鳴嶼さんから声をかけられることは初めてだったから。
「どうされました?」
「自分を蔑ろにする生き方は…するものではない…」
「え?」
「辛い時は辛いと言う…耐えきれぬものからは一旦退避するのもまた戦略…自らを蔑ろにすれば周りは幸せでいられるなどと思うな…」
「…」
「君が幸せであって初めて、周りは幸せであれるということを忘れてはならない…」
「悲鳴嶼さんには、全部、お見通しなんですかね…」
「いや分からぬ…だが、お前が1人で闇を抱えているのだけは分かる…」
悲鳴嶼さんは、相変わらず庭を見たままこちらには背を向けている。
そして、ジャリ、とその手の数珠を鳴らした。
「水瀬の幸せをここから願っていよう…」
暖かい言葉。
どうして、みんな優しい言葉をかけてくれるのだろう。
自分はもう何もあなた達にしてやれないのに。
なぜ、どうして、?
離れたく、ないよ
「…ありがとうございます!なんか元気出ました!時透君も、ありがとね?心配させちゃったみたいで申し訳ない。」
「ううん、全然いいよ。本当にもう大丈夫?」
「うん」
震える口を一生懸命に動かして、言葉を紡ぐ。
貴方達に繋ぐ、最後の言葉。
「私ね、2人に出会えて良かった。本当に…2人のこと大好きだよ」
私は、ちゃんと笑えていますか?
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なーな - 初見です! 完結お疲れ様でした!めちゃくちゃおもしろかったし感動で涙でしたっっっ!!! 素敵な小説をありがとうございました! (2021年11月30日 15時) (レス) @page45 id: 03957af64f (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ - 泣いちゃったw (2021年1月25日 0時) (レス) id: b4bfec10e3 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎもち - 号泣しすぎて...う"う"う" (2021年1月20日 22時) (レス) id: 676d0f88d2 (このIDを非表示/違反報告)
さけふろ - 感動です! (2021年1月11日 15時) (レス) id: c7bf1c88de (このIDを非表示/違反報告)
夢鸞 - 号泣です。素晴らしいお話、ありがとうございました。 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 640116ca2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年9月30日 13時