3.連絡先交換 ページ5
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私は意を決して、神威君の言葉に返答する。
「……凄い仕事だね。でも、神威君には合ってる仕事なんだろうね、会長って一番上の人だろうし、何より机の上の書類? とか神威君の努力の証拠だから」
「えっ……ありがと」
安堵した顔付きで神威君は珈琲を飲み干していた。そう言えば、何で神威君は突然居なくなって、突然現れたりしたのだろうか。
「ごめんね、今日は突然ここに連れてきてしまって」
「ううん、大丈夫」
「ずっと会いたかった、話もしたかったし、それに嫌われてなくて良かった」
「嫌うなんて有り得ないよ」
私もずっと会いたかったし、話もしたかった。だけど、いざ目の前にしてしまうと、言葉が次々と出てこなくなってしまい、言いたい事などほとんど言えなくなってしまう。でも、神威君の話を聞いてるだけで、こんなにも私は嬉しく思う。
笑ってる、目の前で神威君が、笑ってくれてる。それだけで、私の心は嬉しさで満たされていく。
「俺が家まで送っていくから」
「……ありがとう」
「連絡先だけ交換しようか」
「うん」
携帯の中に一人大切な人が増えた。家には神威君が送ってくれたので、感謝してもしきれない。時刻は既に十時半を回っている。
今日の出来事だけで、お腹一杯になってしまった。そう言えば自転車は何故か玄関前に置いてあったな。不思議だか気にしないでおこう。
お風呂に入って体を暖めて、勉強に取りかかる。しかし、なんだか今日はなかなか進まない。色んな事がありすぎたのかもしれない。
集中して終わらせて、早めにベットの中へと潜り込んだ。携帯を開いてみると、着信が神威君から入っていたので、肘をついたうつ伏せの状態で、メールを開いた。
『今日は会えて嬉しかったよ。また今度会える時に会おうね』
私も返信を打ったが、神威君からの返信はそれ以降なかったので、携帯を枕の横に置いて目を閉じる。今日は突然の事で驚いたのが事実。まさか、数年も会ってない神威君に会えるなんて思ってもなかったな。
居なくなった事に怒ったりはしなかったが、寂しくて悲しかった。何も告げずに行くなんて、寂しさが一気に押し寄せてきて、連夜眠れず泣いていたのを覚えている。
近所のお兄ちゃん的存在だったが、私にとってはそれ以上だった。いつも一緒に遊んでくれて、泣いている時もそばに居てくれたから。
私は昔の記憶を呼び起こしながら、眠りについた。
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皇 時雨(プロフ) - *恋姫−ここな−*@姫蛍は大切な心友さん» 私なんかでよろしければ。では、後程ボードの方へお邪魔させて頂きます。 (2017年10月21日 17時) (レス) id: f7a55b3690 (このIDを非表示/違反報告)
*恋姫−ここな−*@姫蛍は大切な心友(プロフ) - 皇 時雨さん» その文才で私の小説にアドバイスまたは感想を(( (2017年10月21日 16時) (レス) id: a50b694780 (このIDを非表示/違反報告)
皇 時雨(プロフ) - *恋姫−ここな−*さん» コメントありがとう御座います。書き方が上手いと言って頂けるなんて、とても光栄です! これからも暖かい目で見守って頂けたらと思います。 (2017年10月21日 0時) (レス) id: f7a55b3690 (このIDを非表示/違反報告)
*恋姫−ここな−*(プロフ) - 書き方がとても上手くて感動しました! (2017年10月20日 17時) (レス) id: a50b694780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:皇 時雨 | 作成日時:2017年10月20日 5時