四十訓 ページ43
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殴られた後、高杉はすぐに立ち上がらずにいた
__銀時「今のお前を見たら由紀はどう思うんだろうな」
最後にそう言って銀時は高杉の前から去って行った
高杉「………」
どう思う、か………
____チリン
高杉「!」
__由紀『大丈夫?』
A「大丈夫ですか?」
高杉「………」
懐かしい鈴の音を聴いた
それもあって目の前の少女を__いや、娘を一瞬母親と重ねてしまった
A「あの大丈夫ですか?」
心配そうに見つめるA
恐る恐る手を差し出すと高杉は素直にその手を取り、立ち上がる
手を取ってくれたことで少し安堵したAは真剣な声音で高杉に言う
A「ここは危険ですから、早く避難なさってください」
高杉「……お前さんは?」
A「え?」
高杉「あの広場に行くのか?」
A「え、えぇ……」
高杉「そうか………早く行きな」
A「………」
何故、だろう……
この人の言う通り、早く広場に向かわないと行けないんだ
だって、あの爆発は絶対に父上様を狙ったものだから
きっと今真選組の方々も戦ってる
父上様を護るために私も行かなくきゃいけないのに……
__この人から離れたくない
高杉「!?」
A「あ、れ………?」
ポタポタと瞳から涙が流れる
自分が何で泣いているのか、何故この人から離れたくないと思ったのかがわからない
自分の気持ちがわからなすぎて、感情がぐちゃぐちゃで………
__高杉「A」
A「!?」
ギュッと強く抱きしめられる
私この温もりを、この声を知ってる……
この優しく包み込んでくれる抱きしめ方を知ってる
高杉「大丈夫だ、A」
A「ぁ…あの……い"っ!!!」
ズキン!!!!と頭が割れる程の激痛がAを襲う
高杉「A!!!」
A「う"ぅ"ッ!!!!」
立っていられなくなり高杉に体を預けるA。高杉もしっかりAを支える
高杉「……いい、無理に思い出そうとするな」
激しい頭痛のせいで意識が朦朧とする中
そんな言葉が聞こえた
高杉「__『約束』は必ず守る」
A「(や、く………)」
高杉「だから、まだお前を連れて行くことは出来ねェ。良い子で待てるな?」
無意識かは分からないが気が付けばAは高杉の言葉に小さく頷いた
それを見た高杉は優しい笑みをAに向け、囁く
高杉「__愛してる、A」
A「…………し」
高杉の言葉を最後にAの視界は真っ暗になった
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みゆき(プロフ) - 来良さん» 返信が遅くなりごめんなさい!😣💦💦ありがとうございます!!私も早く三人と再会させたいです!!!笑笑 (2022年1月5日 23時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
来良 - この作品めっちゃ好きです…!早く高杉さんやヅラや辰馬さんに再会するとこをみたい…!お身体に気をつけて、これからも頑張ってください!応援してます! (2022年1月3日 21時) (レス) @page15 id: 1123250b94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆき | 作成日時:2021年5月21日 17時