検索窓
今日:2 hit、昨日:20 hit、合計:78,480 hit

紫の過保護 ページ9

side.dm


Aはしっかりしているようだけどどこか抜けていて、危なっかしかった。

1度、中学3年生の最期の大会。

全国まで行ったAは、数枚の賞状とギプスをはめた左足、松葉杖を持ち帰って来た。


A「やー、怪我してなきゃ優勝だったんだけどねー。」


頼りなげに笑うAに対して過保護になるのに時間は掛からなかった。



A「ダーマー?テーピングお願い出来る?」

『おー、任せろ。』


もう二度と怪我をして欲しくない。

あの飛ぶような跳躍が、
興奮を隠しきれないあの笑顔が、
Aの目標が、

邪魔されるなんて、あってはならない。

その一心で使いそうな部分のテーピングは一通り覚えたし、Aの妨げになりそうなものは消してきた。


A「いつもありがとね、ダーマ。嫌なら断ってくれても良いんだよ?」

『まさか。お前から専属サポーターの名前貰ったんだし、辞める訳ねーだろ。』

A「あはは、だってダーマのテーピングが1番動きやすいんだもん。」


Aの動きに合わせてテーピングしてるからな。

勘違いしないでほしいのは、固定を基本としている、という事。

確かにAの動きを邪魔したくはないが、それ以前に怪我をしてほしくない。

柔軟性に優れ、かつ固定力のあるテーピングは考えるのが難しかったけど、その結果どうだ。

Aは大会新記録をバンバン出すような選手になった。

Aの力の筈なのに、「ダーマのお陰だよ!」なんて笑うから。


『っし、終わり。』

A「ありがと!んじゃ、今日も頑張ってくる。」

『何か不便があったら言えよ。あと、帰りもシルクになにかされそうだったら大声だして逃げる事。良いな?』

A「はいはーい!行ってきまーす!」


鞄を取って勢いよく駆け出すA。

その心情は、中々話せないチームメイトへの不安があるのだろう。

それがAを傷付けるのは分かってる。

けれど、俺達以外に傷付けられるなんて癪だ。

だから近付けないようにわざとテーピングをいつもゆっくりやってること、いつになったら気付くんだろうな。

黒の妄想→←緑の監視



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (100 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
216人がお気に入り
設定タグ:Fischer's , ヤンデレ , 学パロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

レイ(プロフ) - こーゆーのまじで好きです…。やばい。みんなのヤンデレほんとに好き…最高でした…!!!もしも続きがあれば楽しみにしてます!別作も頑張ってください!応援してます! (2020年4月11日 18時) (レス) id: 9045735352 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - どんどん怖くなってゆく、、、、、まぁ好きな人に殺されるなら本望かな? (2018年10月27日 17時) (レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
Kako(プロフ) - 狂気の歯車は止まらないってわけですね…。 (2018年10月25日 18時) (レス) id: d79f67c83a (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - りょうさん» 最後までご閲覧頂きありがとうございました!ラストとの落差すごいなって自分でも思ってたんですけど、楽しんで頂き何よりです! (2018年10月13日 17時) (レス) id: fe0d9e5760 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 完結おめでとうございますー!もう、ヤンデレ具合が最高でした!ラストはちょっとドキドキして...とにかく面白かったです!これからも頑張ってください! (2018年10月13日 11時) (レス) id: 60a3c2e8e3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:伊達。 | 作成日時:2018年9月16日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。