検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:78,454 hit

壁に耳あり障子に目あり。 ページ35

「わ、私…マサイ君の事が好きです!」


えー、修羅場にいます。

社会科準備室に忘れ物を取りに行こうと思ったら、その途中の空き教室で告白現場に居合わせてしまいました。

告白してるのは姫ちゃん。

ちらっと見えたその頬は真っ赤で、そのあどけない顔にさらに可愛らしさを付け足していた。

けれど、叶わない恋、報われない想いである事を、私は知ってしまっている。

ごめんね、姫ちゃん…!

私は静かに社会科準備室へと向かった。

忘れ物を取って、社会科準備室から出ると、丁度姫ちゃんが空き教室から出て来た。

姫ちゃんはこちらに気付かず、大きな目から涙を零していた。

それを見て、私は申し訳なさでいっぱいになる。

私なんかが姫ちゃんの好きなマサイにあんな事言わせてるなんて、それはあまりにも酷く思えた。

マサイは多分帰ってない。だから、話すとしたら今なんだろう。

そっと空き教室に近寄ると、話し声が聞こえた。

それは、私のよく知っている皆のものだった。


シルク「やー、でもすっぱり言ったなー。」

マサイ「変に期待させんのは嫌じゃん。」

モトキ「それもそうだけど。」

マサイ「ま、多少は悪いと思うよ。」


ああ、悪いとは思ってるんだ。

私は後ろめたさを感じながらも、好奇心に負けてもう少し盗聴する事にした。

違和感の正体が分かる…って、なんとなく思ったから。

そして、その選択を後悔することになるなんて、知る由も無かった。


モトキ「それにしてもさぁ、次どうする?」

ぺけ「顔に自身ありそうだったし…顔でしょ。」

ザカオ「火傷?カッター?どっちも余裕で準備出来るけど。」

ダーマ「あーでも、Aに実害が出たら、だぞ?いつも言ってるけどよ。」


え?

何を、言ってるの…?

理解が出来ない。理解をしたくない。


モトキ「所でさぁ。」



「そこに、誰か居るでしょ?」




何で…?

焦るな、ゆっくり、ゆっくり逃げなきゃ。

私はとんでもない人達と一緒に居たみたいだ。

今更そんな事思っても遅い。けど、今は逃げるのが1番だ。


モトキ「そっちから動かないならこっちから動くよ。」

『っ…!』


震える足を必死に動かして、その場からダッシュで立ち去った。

ただ、怖かった。

──明日から、一体どんな顔で彼らに会えというのか。

いつしかの願いは、私から消えてしまっていた。

戦略的撤退。→←どうして…?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (100 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
216人がお気に入り
設定タグ:Fischer's , ヤンデレ , 学パロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

レイ(プロフ) - こーゆーのまじで好きです…。やばい。みんなのヤンデレほんとに好き…最高でした…!!!もしも続きがあれば楽しみにしてます!別作も頑張ってください!応援してます! (2020年4月11日 18時) (レス) id: 9045735352 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - どんどん怖くなってゆく、、、、、まぁ好きな人に殺されるなら本望かな? (2018年10月27日 17時) (レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
Kako(プロフ) - 狂気の歯車は止まらないってわけですね…。 (2018年10月25日 18時) (レス) id: d79f67c83a (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - りょうさん» 最後までご閲覧頂きありがとうございました!ラストとの落差すごいなって自分でも思ってたんですけど、楽しんで頂き何よりです! (2018年10月13日 17時) (レス) id: fe0d9e5760 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 完結おめでとうございますー!もう、ヤンデレ具合が最高でした!ラストはちょっとドキドキして...とにかく面白かったです!これからも頑張ってください! (2018年10月13日 11時) (レス) id: 60a3c2e8e3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:伊達。 | 作成日時:2018年9月16日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。