93:全ては私の為だった ページ43
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もう嫌だった。ジョングクを傷つけたテヒョンも、それ以上に傷つけた私も。
でもテヒョンを責められないのは、テヒョンも私が好きだったから。…だったら本当に責めるべきなのは私だ。
はー…、と深く深く吐き出した息が街の雑踏に溶け込んでいく
「……テヒョンが直接、離れろって言ったわけじゃないんでしょう」
TH「…まぁ、きっかけは俺なんじゃないかなって」
「だとしても決めたのはジョングクだから。…テヒョンの所為じゃないよ」
ジョングクを不安にさせたくなくて隠していた私が1番間違えてたんだろう。
…大丈夫だと、思ってた。問題ないと思ってた。あの笑顔を崩したくなんてなかった。その結果がこれなら自業自得としか言えない。
現実から逃げるように強く閉じた瞼にふと浮かぶ、あの書き残し。あの声。
“ヌナの愛はもう要らないから幸せになりなよ”
JK『…もう、俺の欲なんて吹き飛ぶくらい愛してる。』
JN『…ジョングクに愛し方も愛され方も教えてくれてありがとね』
それらを全て思い出して
目を開けた刹那、世界が鮮やかに色を持ち出す
涙で歪んだ世界がゆっくりと着実に壊れ始める
「…違う、テヒョンの所為じゃ、ない」
TH「え、ちょ、A？」
あの私を見つめる大きな瞳。私を愛してると叫ぶあの瞳がもう答えだった。
テヒョンの所為じゃない。私の所為でもない。
ジョングクが居なくなったのは誰の所為でもなくて、“私のために”離れたんだろう
「テヒョ、ン…、」
TH「待って俺ハンカチ忘れた…スーツの袖でいい？」
「大丈夫だから。」
TH「大丈夫って…泣いてるじゃん…、」
私もテヒョンも彼を傷つけた。でもそれは明確な理由ではなくて。
私の愛を欲しいと願っていた自分を押し殺してまで私の幸せの為に居なくなったのは、
ジョングクの愛し方だったんだと分かってしまって涙が溢れる
「…っテヒョン、話しに来てくれてありがとう」
TH「……最後くらい格好良く思われたかったし。」
「………愛してた、テヒョン。」
テヒョンは私の声に少し眉を下げて微笑んだ
何かを壊す、音がした。
TH「…そっか、……じゃあ、俺も“愛してた”」
確かにまだ残ってる私への愛を壊したのは、きっとテヒョンの最後の愛し方。
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choco - 今まで見た作品の中で1番好きな作品になりました。ありがとうございます！ (2022年5月23日 19時) (
レス) @page49 id: 7083a913c1 (このIDを非表示/違反報告)
mimi39901065(プロフ) - 初めまして。夢小説にハマるきっかけをくれた作品で、本当に何度読んでも胸が一杯です。素晴らしい作品ありがとうございます。 (2022年2月13日 20時) (レス) id: 96f9571aaf (このIDを非表示/違反報告)
noooooon24(プロフ) - 好きすぎて3回も見ました！本当に感動作です。この2人の続編が見たいです、できたらすっごくイチャイチャラブラブの2人の幸せを見たいです！勝手なお願いですがぜひお願いします。ここまで大好きな作品なかなか出会えないので、、 (2022年2月2日 22時) (レス) id: 8c9cc794ae (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア(プロフ) - 初めまして。お話を読んで涙が止まりませんでした。素敵なお話ありがとうございます。 (2021年9月4日 9時) (レス) id: 73d93b58ca (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - お話が素晴らしすぎました！ストーリー引き込まれ、大号泣しながら一気読みしてしまいました。とてもいい作品をありがとうございました。 (2021年6月20日 3時) (レス) id: 8c7ead2968 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ただのルート
| 作成日時：2019年10月31日 14時
