33:TAKE ME ページ33
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「………わかってる!」
JK「…わかってないじゃん。」
「わかってるの、頭では…」
ジョングクの頬を叩いた手が少し痛む中、大きな瞳で睨まれながら額を抑える。
地獄がお似合い?…そうかもね。
でもその地獄よりテヒョンが居ない世界の方が地獄的。生きていけない気がしてる。
JK「……もう仕事休み確定?」
「……あ、いや、遅刻…」
JK「無駄。俺がもうテヒョンに休むように言っといてって頼んでおいたし。」
「何すんの…」
人の携帯を勝手に操作して、出会った時のように右頬を少し赤くしてイタズラに笑う彼。
テヒョンは私がまた体調崩したと思ったのか、外からは扉を叩く音と私を呼ぶ低い声も聞こえない
涙で滲んで壊れかける世界を、ジョングクが勢いよくパーカーの袖で拭い去る
JK「…俺にしてほしいこと、ない?」
何でも言うこと聞くよ、俺。
軽すぎる笑みと声に隠れた真剣さに息を呑む。
そのくりっくりの瞳を細めて意地悪く笑う彼を、しっかり見つめて、声を振り絞る。
「ーーーー…私を、どこかに連れ出して。」
逃げも同然。わかってる。
けど彼は咎めるでも無ければ怒るでもなく、ふーんと言いつつ笑った
JK「……じゃあ、これ着て。」
「え、ちょ、っわ!」
JK「これは…いいか」
ジョングクの黒い上着を着せられ、それに付いてるフードまで目深に被せられ。
私に掛けようとした眼鏡は流石に置いて私の手を取り立ち上がった。
「…いやいや、どこ行くの。」
JK「ヌナの知らない所。」
「携帯と財布だけでも!」
JK「要らないって」
いや要るでしょ、何言ってんの。
愕然とする私の手を玄関で離してゴツめの黒い靴に足を入れ、扉を開けて外の光を入れる彼。
数分前まで見た朝の光。それは私を再度外に誘う
JK「俺が連れ出してあげるけど。どうすんの?」
「…ジョングク、」
JK「俺はヌナの言う通りにする。」
嫌ならやめる、それだけ。
JK「ここに居てもヌナはテヒョンを想って泣くだけ。それが分かってるから言ったんでしょ?連れ出してって」
連れ出して。
この現実からも、テヒョンからも。
「…今日だけ、お願い」
JK「了解」
彼のウラは、天使か悪魔か。
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さや - 大好きです!応援してます (2020年10月4日 18時) (レス) id: 4e28762ef7 (このIDを非表示/違反報告)
ただのルート(プロフ) - knnntrkさん» 有難うございます、テヒョンを応援してくださっている方が本当に多くて愛され具合と申し訳なさが凄いです…(笑) 続編で話数さえ足りればアナザーやif物語を検討してみますね、一先ずは本編の更新を頑張ります! (2019年10月31日 19時) (レス) id: 218d49cba4 (このIDを非表示/違反報告)
knnntrk(プロフ) - す。本編ももちろん応援しています^_^ (2019年10月31日 3時) (レス) id: 0c0320d085 (このIDを非表示/違反報告)
knnntrk(プロフ) - この作品大好きです。他の方もコメントされてますが、タイトルを見るからにジョングク落ちだとわかってはいても この作品のテヒョンが好きすぎてテヒョン落ちを願ってしまいます!余裕がありましたらぜひアナザーストーリー見てみたいで (2019年10月31日 3時) (レス) id: 0c0320d085 (このIDを非表示/違反報告)
ただのルート(プロフ) - のあさん» コメントの方を有難うございます、そして落ちはもう題名を決めた時から既に決まっていたので…本当に申し訳無いです、話数さえあればifとして作れると思いますので少し検討してみますね! (2019年10月29日 2時) (レス) id: 218d49cba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただのルート | 作成日時:2019年10月2日 9時