無自覚なキミを2 (ページ13)

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翌朝、
マフラーの入った紙袋を片手に、職場に向かう。
自分の首には、めんどくさくて全然使ってなかったマフラーを適当に巻いた。
やっぱりまだちょっと気まずくて、昨日の事もあるしマークはさすがに普段通りに来るだろうと思い、今日も少し早めの電車に乗る。

エントランスでエレベーターを待つ。
建物が10階建だから、降りてくるまでいつも本当に時間がかかる。

半分寝ながら待っていると

『Aおはよ』

なんでいるんだよ...と言いかけたが、
またマークが落ち込むかと思ってそっと飲み込んだ。

「おはよ」

『寒すぎて死ぬかと思った』

「あ...これ、ありがとう、マフラー」

『わざわざ紙袋に入れてくれたの？そのままでいいのに』

「うん...ごめん寒かったよね朝」

『全然平気』

そう言うマークの鼻は真っ赤で、多分絶対寒かったと思う。

『Aやっとマフラー付けてきたんだね』

「うん、いつもめんどくさくて忘れるんだよね」

そう言うと、突然私の頭をそっと撫でてくるマーク。

「...何？」

『可愛い...笑』

突然の言葉に驚きパッとマークの方を見ると、
またいつもみたいに頬骨を上げて微笑んでいる。

「何...急に」

『急じゃないよ、いつも思ってた』

普通にそんなことを言ってくるマークが恥ずかしくて、
マフラーで自分の顔を隠した。
エレベーターはいつまで降りてこないつもりなんだろうか。

デスクで作業していると、
斜め前に座っているマークからLINEが来た。

マーク：A今日の昼どこでたべる？

わたし：決めてない

マーク：じゃあ久しぶりに食堂で食べよう

わたし：わかった

チラッと斜め前を向くと、ニヤニヤしているマークと目が合う。

わたし：ニヤニヤすんな

マーク：ごめん

そう返信は来たけど、
マークの顔は相変わらず頬が緩んでいて笑いそうになった。