正真正銘のお姫様と王子様【岩田剛典】

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剛典side



きらりの話には驚きが隠せなかった。





ただひとつ分かったこと。





こいつはそんなに悪いやつじゃないってこと。






嘘ついているようにも思えないし、



本当の話だろう。









剛「お前のこと覚えてなくて悪かった。







嘘ついているようにも見えないし





ターゲットの件は終わりにしてやる。









ただ、Aを傷つけたことだけは許せないからな。









もう近づくな。









…と言いたいところだけどさ、






Aってね、めっちゃいい女なの。






俺にはもったいないくらい。








どんだけ自分を危険に




追いやった相手だろうが心の底から心配してる。







だから声掛けてやって。





このこと話してあげて。






きっとアイツなら泣きながら




あんたの話聞いてくれるから。」









きらり「１つだけお願いがあるの。







…1回でいいから抱きしめて。」








泣きながら何を言うのかと思えばこんなこと。









剛「ごめん。




少しでもあいつの嫌がることはしたくないんだ。






だから、握手でもいい？」







きらり「ごめんね。うん。握手してください。」









そっときらりの手を握った。







きらりの顔はこれまでとは違って笑顔だった。









きらり「ありがとう。今までごめんなさい。





絶対Aのこと離しちゃダメだからね。






Aちゃんだから私は諦めたの。





だから、絶対に幸せになってね。」







剛「ありがとう。」









去っていくきらりの後ろ姿。







俺達は勘違いをしていた。









あいつは心の優しい不器用なただの女の子だった。

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