◇13 ページ13
・
『いいから駄目ッ』
私は廉くんの腕を引いてその場から離れる。
・・たく、何考えてんだか。
もしも学校関連の人に見られてたら・・って思うと一人で焦ってしまう。
頑張ってせっかくこの大学に入ったんだから、無駄にはして欲しくなかった。
ずんずん前に進む私に、手を引かれ付いてくるだけの君はとても不満そう。
廉「Aってさ、結構石頭やんな」
横から聞こえるそんな歳下からのダメ出し、。
もう、言うだけ言えばいい。
『知ってる、考え方に柔軟性がないってよく言われる』
だからなの、?
あの人が、私の隣にずっといてくれないのは、やっぱり私のせいなの?
私が扱いにくいから?重いから?
必要な時だけ使って、結局は捨てられるだけなの、?
こんな時でさえもやっぱり頭の片隅にはその人が居座るのだ。
目の前の廉くんにはバレないように、脳内でその人を思い出していれば
廉「そんなんやから浮気されるんちゃう?」
彼は全てを見透かしてるんじゃないかって、少し戸惑うくらいタイミングが絶妙で、。
きっと君は冗談で言った。
場を和ませようと・・・・
でも、私にはそんなノリにすらついていけず、
『・・うるさい、ほっといてよ』
そんな冷たい言葉でしか返せなかった。
帰ってくることのない、期待だけが膨らむその感情は、やっぱり本人じゃないと解決しないのだろう。
薄ら笑っていた廉くんは急に黙り込んでしまった。
それで初めて罪悪感が増す。
廉「あっ、・・ごめんな?」
本当に自分は大人気ない。
冗談に付き合うことも出来なければ、気を使わせてばかりだ。
なんだか自分がとても惨めで・・
掴んでいた彼の腕を離しては、下を向きながら何となく足を動かせる。
私の横を必死についてきてくれる彼・・
いつもだったら私が追いつこうと必死なのに、、
廉くんはあの人とは違う。
私に合わせて隣にいてくれる。
それだけで傷は少し癒えたのだ。
私が何も話さないから高いその背を少し捻って、顔を伺ってくる。
廉「なぁ、今のはほんまごめん・・傷付いた?」
昼間は貶しまくってた癖に、、
なんで今になって優しく接そうとするのかな、
3460人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななみ(プロフ) - 廉君と両思いになってよかったです。まるで映画みたいにドキドキ、ハラハラしながら、焦ったくなりながら、最後には温かい気持ちになりました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございます。他の作品も読ませていただきます。 (2019年11月11日 1時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - muheさんのお話、Twitterやインスタでも読ませて頂いてます!このお話は特に大好きなお話なので続編希望です!これからも応援してます! (2019年7月7日 13時) (レス) id: 41431b5220 (このIDを非表示/違反報告)
みなゆか(プロフ) - 続編だしてほしいです!! (2019年5月29日 2時) (レス) id: f99e6b0772 (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - 一気に読んでしまいました(>_<)一途な廉くんが素敵で素敵で、すごく感動してきゅんきゅんしました。このお話ほんと大好きです!!ありがとうございます! (2018年8月26日 14時) (レス) id: 45e922be8f (このIDを非表示/違反報告)
ちあ(プロフ) - はじめまして。完結おめでとうございます。読み始めたのは最近なのですが、毎回更新を楽しみにしていました。とても感動しました。何度も泣いてしまったりして...こんな素敵なお話をありがとうございます。 (2018年8月16日 13時) (レス) id: f185f740ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:muhe | 作成日時:2018年7月16日 0時