◇１ ページ1
･
一年前というのは、まだ記憶に新しい。
でも、二年前というと･･
薄れゆく記憶のせいか、進み行く時間のせいか、
どこか物事を他人行儀で片付けてしまうのだ。
例えば、ほら、、
廉「･･なぁってばッッ！！」
さらりと明るめの茶髪に、スラッと背の高いその人。
サークルから勧誘を受けていたから恐らく新しく入ってきた1年生だろう･･
ちゃんと顔は見てないが、女子からチヤホヤされていたからきっとモテるような顔なんだと思う。
そういうのに興味もなければ気にすることもない。
廉「なんで無視するんッッ？」
無視してるのにさっきからしつこく付きまとってくるその人。
敬語じゃなければ関西弁でもある為、その口調が余計に鼻につく。
しかも香水のような匂い･･
チャラそうな感じがもっと私に拒否反応を伝えた。
廉「なぁッAってば！！！」
だけどその一瞬で背中に冷や汗を感じる。
あまりの衝撃にスタスタ進めていた足も凍ったように固く立ち止まり･･
廉「あ、やっと止まった！！」
恐る恐るその人を伺えば、思った通りモテそうな綺麗な顔をしていた。
『な、なんで私の名前知ってんの･･』
もしかして、と思って聞いた私も予想はしてたけど
廉「なんでって･･え、覚えてないん？」
そんなまさかがあっていいのだろうか。
廉「ほら二年前」
胸がざっくり避けそうな変な感覚がとても苦しい。
二年前といえば、私が家庭教師のバイトをしていた大学二年生の夏、。
思い当たるあの高校生は当時高校二年生だったはずだ。
･･とすれば、この学校にいてもおかしくない歳なのだ。
『･･もしかして、、廉、くん？』
私が半分自信なしにそう言えば彼はパッと顔の表情を明るくした。
廉「なんやっ覚えてるやん！！」
私と身長なんてさほど変わりなかったのに郡を抜かれ･･
細さはあの時のままだが、見た目は既に成人男性。
高校生だった面影はちょっと薄れていた。
それによく似合っていた黒髪も･･なんで茶髪に染めちゃったんだろうか。
だから気付けなかったのだ。
どこか清楚でクールで不思議な感じの彼だったのに
目の前にいるのはチャラそうな廉くん。
一体何が起きたのか
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3460人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななみ(プロフ) - 廉君と両思いになってよかったです。まるで映画みたいにドキドキ、ハラハラしながら、焦ったくなりながら、最後には温かい気持ちになりました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございます。他の作品も読ませていただきます。 (2019年11月11日 1時) (
レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - muheさんのお話、Twitterやインスタでも読ませて頂いてます！このお話は特に大好きなお話なので続編希望です！これからも応援してます！ (2019年7月7日 13時) (レス) id: 41431b5220 (このIDを非表示/違反報告)
みなゆか(プロフ) - 続編だしてほしいです！！ (2019年5月29日 2時) (レス) id: f99e6b0772 (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - 一気に読んでしまいました(>_<)一途な廉くんが素敵で素敵で、すごく感動してきゅんきゅんしました。このお話ほんと大好きです！！ありがとうございます！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 45e922be8f (このIDを非表示/違反報告)
ちあ(プロフ) - はじめまして。完結おめでとうございます。読み始めたのは最近なのですが、毎回更新を楽しみにしていました。とても感動しました。何度も泣いてしまったりして...こんな素敵なお話をありがとうございます。 (2018年8月16日 13時) (レス) id: f185f740ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：muhe
| 作成日時：2018年7月16日 0時
