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*廉side
海「うまくいってるかなー」
廉「どうせ失敗してんとちゃう?」
下駄箱で靴を履き替えながら、海人とそんな話を続ける。
海「縁起でもないこと言わないでよ」
廉「だって紫耀と姉ちゃんやで?」
あの二人のことはオレが一番分かっとる。
基本、振り回してんのは姉ちゃん。
廉「紫耀も見る目ないよな、あんなんにずっと片想いして、しんどいだけなんに」
海人の返事を待てばそいつは顔を曇らせていた。
海「んー、俺はお似合いだと思うけど」
廉「それ、紫耀に言ってやったらめっちゃ喜ぶで?きっと」
靴に履き替え終わったところで、外に出ようとしたのだが・・
−−−−−−タタタタタッ
廊下を走る慌ただしい足音。
それで、なんとなく誰のか気付いてしまった。
振り向けばやっぱりそいつ・・
海「えっ、どうしたの?」
息を荒くしてんのがあまりにも普通じゃなかったから、振り返って紫耀の顔を伺った。
廉「なんで泣いてんねん」
紫「はぁッはぁッ、もうッッ、嫌や、ッツ」
泣き崩れたそいつに海人は背中をさすってる。
まさか、ここまで上手くいかんとは俺も思うはずなくて・・
廉「何があったん?」
紫耀に理由を聞けば・・・
紫「ッA、先輩と、岸先輩がッツ、キスしてたッ」
それに思わず溜め息が出そうになった。
なんで男前でモテる紫耀みたいなんが、あんな一人の女に泣かされとんねん。
姉ちゃんは何回、紫耀を苦しませれば気が済むん?
俺は外靴を脱いで姉ちゃんのクラスがある教室まで向かおうとした。
だけど、
紫「廉ッ、もういい」
紫耀に止められた。
廉「ほんまにそれでええの?」
紫「もう、ッあんま先輩のこと考えたない」
いつも"A先輩"って、ちゃんと名前つけて話す紫耀が、ついに姉ちゃんの名前を言わんくなった。
そのまま重い足取りで立ち上がり前に進む紫耀。
海「帰るの?」
紫「うん、一人にさせて」
こいつ・・・ほんまに大丈夫なんかな?
あんまり自分が首突っ込むのも、なんかちゃうと思った俺はとりあえず海人と帰ることにした。
姉ちゃん、ええ加減にして
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平野かな(プロフ) - 岸くんと付き合うのもみたいです。 (2018年8月17日 6時) (レス) id: 0d5cee7618 (このIDを非表示/違反報告)
くねろ - しかし、この作品に登場する方たちは知らないというね...笑 (2018年5月26日 10時) (レス) id: 26c053c045 (このIDを非表示/違反報告)
くねろ - からだ中の水分全部出すかのように涙流してました。いろんなすれ違いがあってもどかしい、主人公ちゃんの性格もいい影響をもたらしていて、良い構成の作品だと感じました笑 (2018年5月26日 10時) (レス) id: 26c053c045 (このIDを非表示/違反報告)
Y__1001kimiko(プロフ) - 後輩平野くんの続き待ってます (2018年5月22日 8時) (レス) id: c74ba2042b (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ(プロフ) - 毎日の楽しみが一つ終わってしまって残念...!面白いストーリーでした(*´-`)続編もお気に入りして読みます!! (2018年5月22日 7時) (レス) id: 3f9dc00853 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年5月6日 11時