後輩、平野くん ~Sho.Hirano~

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廉の言うことに理解はある。





平野くんと会うのはほとんどがこの教室。





それ以外では会わないし、会ったとしても偶然






二人でゆっくり喋ったこともなかったし、ちゃんとお話すんのもありかなって。






第一、なんで私なのか。




私のどこが好きなのか、それを聞いてみたかった。







平野くんに全く興味がなかった訳ではない･･






でも中途半端な関わり方で逆に期待させちゃうと思ったら、素直に絡めなかった。






私から誘ったわけだし、迎えに行こうかなと思って教科書をカバンにしまっていた。





すると、部活のはずの岸がずっと前の席にいた。







『岸！どうしたの？部活遅れるよ？』





岸「あぁ、うん･･A、今大丈夫？」





『え？』







荷物は机に置いたまま。





何かを言いたそうにしてたけど、周りを気にしてるみたいだった。







岸「みんな居なくなったらでもい？」






『うん、別にいいけど』







なんかソワソワしてるって言うか、いつも以上に落ち着きがない岸。






どうしちゃったんだろうか･･






数分待つと教室には私と岸だけになっていた。







『それで、話って？』





岸「うん、あのさぁ」








君の言動はいつも予測を上回る。








岸「俺、転校することになった」





『えッ？』








私はそれに振り回されてばっかだ。







『嘘でしょ？』





岸「マジマジ！」








「一度は転校とかしてみたかったんだよねー」とか、こういう時も能天気。







だけど、嫌なのに･･飽き飽きしてんのに結局は嫌いになれない。







それも、相手が岸だからなんだろう。







あまりにも急すぎて信じれるわけがなかった。






『どこ？』





岸「北海道」





『結構遠いじゃん･･いつ行くの？』







冷静に聞けば聞くほど、気持ちは反比例していく。






苦しいよ･･･








岸「もう準備してる。来月にはあっちの学校かな」








話を聞けばお父さんの転勤が理由らしい。






そんな急なお知らせ、信じる？






意味わかんないよ･･







『･･なんで、今なの？』





岸「え」







もう気持ちが表にでても、焦りも後悔もしないだろう。








『岸がいなくなるの･･私は嫌だよ』





岸「うん、俺だって嫌だ」








嘘ばっかり･･





岸はすぐ誰とでも仲良くなっちゃう。







好かれ体質だからあっちでもうまくやってける･･

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