二人の女神~sho.ren~ (ページ34)

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＊Aside

何回か瞬きを繰り返して見間違いかと疑うが、どうやらそこに間違いはないようで。

紫「おまじないとか本当に効けばいいのになぁ～」

頬ずえをつくと立ったままの私を見上げて上目遣いをしてくる。

あざといはずなのに、嫌味や不快感といったマイナス要素を全く感じない。

『紫耀くんって、なんか不思議な人だよね』

紫「え？」

私が知っている男子は不特定多数にいる訳では無い。

経験値も浅いのだから、基準は幼馴染の廉に絞られる。

『ほら廉ってさ。ちょっと情が薄いっていうか、冷めたい感じでしょ？紫耀くんって何でも言葉にしてくれるからなんか私安心するんだよね、』

紫「ふはっ！！Aちゃんも俺と同じくらい不思議だけどね」

『え？』

紫「何であの2人と一緒にいてそんな純粋に成長できるんだろ、心が綺麗なんだろうねっ」

誰かの言った言葉じゃ何も思わなかっただろうに。彼に言われると体中が熱を帯びて反応する。

『多分私、紫耀くんに騙されても雰囲気に飲まれて納得しちゃいそう』

紫「騙すって…俺そんな事しないよっ？」

やる事なす事がいちいち可愛いから計算だと言われても何も可笑しくないだろうに、彼はほんとそういう所なんだろうな。

『てかこれ提出用のプリントでしょ？』

紫「ああっ！」

消しゴムを使って相合傘を容赦なく抹消する。

『冗談でもプリントに書いたらまずいって！！誰見るか分かんないし本当に誤解されるよ？』

紫「…冗談じゃないんだけどなぁ、」

『へ？』

紫「俺がただの暇つぶしでAちゃんと居ると思ってる？そんなんじゃないんだけどっ」

声から分かる不機嫌な感じ。

『ご、ごめんッ』

紫「あ、別に謝って欲しい訳じゃ…分かりずらかったよね。ちゃんと言うね？俺、好きなんだよ？Aちゃんのこと。』

相合傘の流れで " 好き" と言われたらどんなに疎くても察するくらいはできる。

紫「どういう意味での好きかは言わせないで欲しいんだけどっ、それも言わなきゃ駄目かな？」

『あ、えっと…』

どう答えるのが正しいのか分からず、しどろもどろに口をパクパクさせていると彼はクスリと笑ってこう言った。

紫「もちろん、女の子としてだからねっ」