twin venus_23 ページ23
*Aside
結ちゃんは無事に廉と家に戻ってきたけど、、
なんだか察せそうで察せない微妙な空気。
その二人に掛けられる言葉は無くて、そのままモヤモヤと心を曇らせて日を跨いだ。
朝もなんだか当たり前に気まずくて、、
二人から逃げるように図書室へと避難してきた。
『…はぁッ、……』
この重いため息がどうにかして本に吸収されないか、なんて馬鹿な事を考える。
図書室特有の静かな空気に溶け込んで誤魔化るだけまだマシだ。…でも、
紫「大きな溜め息だね」
『えっ』
後ろから話し掛けられたと思えば昨日ぶりの紫耀くん。…そういえば合コンから一緒に帰ったんだった。
帰ったあとの出来事がものすごく脳内を支配していて、昨夜のこととは思えないくらい記憶が薄れている。
紫「おはよっ!…なんかあったの?」
『え、いや、それ程の事じゃ…ないんだけど』
私が考え事をしているってなんで分かったのかな、?ほんと、よく見ている。
紫「俺、話聞いてあげよっか?」
『うーん…いいの?』
紫「全然っ!」
ニッコリ笑うと向かいの席に腰を下ろした紫耀くん。
彼がいると荒れた気持ちが少し楽になる…不思議だ。
『紫耀くんって好きな人いる?』
紫「え、好きな人?」
唐突な質問に分かりやすく動揺している。…さすがに急すぎたかな。
『いる?』
紫「うん。まぁ…いるよ?」
『そっかー…』
紫「なんで?」
『やっぱり皆いるんだなーって』
紫「みんなって?」
『結ちゃんも廉もみんな恋してるみたい。私だけだよ。そういうの疎くてさ…男の人と喋ってもピンと来ないし、増してや恋愛したいとも思わない…変なのかな?』
女友達にボヤくならまだしも、唯一喋る男の子である彼に自然と出てしまった本音。
言ってから言わない方が良かったかも…なんて、もう遅い。
紫「変じゃないよ。むしろ軽くなくていいと思うけど」
『そう、かな?』
紫「うん。そういうのってさ周りに合わせても仕方ないじゃん?いいんだよそのままで!」
気負いしてた何かがホロホロと姿をなくしていく感覚。
紫耀くんといると緊張する時はあるけど、一緒にいて疲れない……なんだろ、不思議だけど嫌じゃない。
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きょん(プロフ) - 廉くん派です。続きが気になります! (2022年10月27日 14時) (レス) @page32 id: 4cb7560b67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2022年9月8日 22時