twin venus_47 ページ47
*Aside
『あ、バレてる…なんか、ストレートに言われると恥ずかしいな』
言葉だけだと貶されたようにも感じるけど、相手が彼だからか、別に傷付くことも無く…ただただ羞恥心でいっぱいになる。
紫「前にさ、気になる人俺って言ったじゃん?」
『ん?あ、うん』
紫「あれ適当じゃないよね?」
思わずポロッと口にしてしまった事を掘り起こされるとは思っておらず。
鮮明に覚えられていた事にも少し動揺を隠せない。
『適当ではないよ?』
"気になる"の真相も、行く末も、イマイチ分かってないけど、今の私は確実に紫耀くんでいっぱいだった。
『あの時真っ先に思い浮かんだのは紫耀くんだったし』
紫「ふはっ、ほんとそのまんま言っちゃうんだね」
『え…』
余計な事を言わなきゃいいのに、荒ぶって一人で恥をかく。
でも彼は吹き出すように笑うとなんだか嬉しそうだった。
紫「男にドキドキとかした事ないでしょ?」
強い風に髪の毛がなびいて、顔が隠れる。
その隙間から彼の手が伸びてきたのが分かった。
『え?あ、…ちょっ、!』
髪の毛を耳に掛けてくれただけなのに。
『えっ、ぁ、…』
紫「めっちゃいい匂いする…香水してきた?」
耳に触れた彼の手にじんわり熱をもって。
甘い雰囲気に免疫が無さすぎて耐えられない。
『ストップストップっ、!!』
紫「ん?」
一歩後ろに引き下がって彼との距離をとる。
『なんか…苦しい、ドキドキしてダメなんだよね、こういうのっ』
紫「アイツにこういう事されても同じようにドキドキする?」
『え』
アイツというのは、廉のことだろう。
『わ、分かんない…するのかな?』
紫「俺はAちゃんにだけ、いつもドキドキしてるよっ」
唇をあむっと甘噛みする紫耀くんは、私に何を求めているのだろうか。
紫「俺を初めての彼氏にしてくれないかなーって」
『え、あ…』
紫「俺本気で言ってるよ、?」
彼が私の反応で遊ぶ人じゃない事は分かっている。
紫「アイツらと一緒にいるのやめて、俺にしない?
好きなんだよね、一年の時からずっとさ。Aちゃんのこと」
だけどそこまでストレートに言われると、返事をするにはまだ自信がなくて。
『ちょっと、考える時間欲しい』
紫耀くんと付き合ったら何か変わるかな?
私の気持ちは楽になるのかな。
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きょん(プロフ) - 廉くん派です。続きが気になります! (2022年10月27日 14時) (レス) @page32 id: 4cb7560b67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2022年9月8日 22時