Vanilla_10 ページ10
・
廉「あ、手帳ですか？」
そういう彼は後ろの棚から見覚えのある手帳を手に取った。
『やっぱりここにあったんだ、ありがとう！』
それを鞄の中にしまってちょっとだけ椅子に腰を下ろした。
廉「今日もお酒飲むんですか？」
『廉くん困らせちゃいそうだから今日はいいよ』
廉「じゃぁすぐ帰るんですか？」
まるで帰って欲しくないような、そんな言い回しに聞こえてしまうのは彼の見た目と職業のせいだと思いたい。
『ん、今日は居酒屋行こっかな』
スマホをいじりながら飲み友達を漁る。
すると廉くんの視線が痛く感じて
『…え、なに？』
廉「Aさんって彼氏いるんですか？」
『え』
廉「いつも泥酔して帰るから聞けへんかったんで」
『いや、いたら一人で飲まないと思うけど？』
廉「ですよね」
何が聞きたかったのかモヤッたいままの空気を引きずられる。
廉「Aさんって酒飲むといつでもどこでもあんな感じなんすか？」
『…どうだろね』
ぶっちゃけると酒癖が悪いのは自分でもよく分かっている。
それでいろんなトラブルを起こしては迷惑も掛けちゃうし…何より、
見知らぬ男の人と仲良くなっているのがこの世で一番恐れが多い。
だけど、それは現実に対しての悔しさを忘れたいから、。
開放される時間は限りがあった。
男の人に甘えちゃうのも、この隙間を埋めて欲しいとどこかで癒しを求めてるのだろう、。
『…廉くんは私の事、タラシだと思ってるの？』
廉「分かんないです」
『そっか…そうだよね、、そう見えるよね』
お酒に逃げてしまう私は、どうしようもないくらい可哀想で弱いんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2910人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆー - 前から見させて頂いていて、今回の小説も面白いです！更新楽しみにしております。 (2020年2月12日 1時) (
レス) id: 7ed49a0414 (このIDを非表示/違反報告)
白米王女(プロフ) - もしよければ続きで裏出して欲しいです… (2020年1月14日 22時) (レス) id: 771a82acdb (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2019年10月27日 22時) (レス) id: a50c63b20c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：muhe
| 作成日時：2019年6月22日 20時
