Vanilla_3 ページ3
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廉「はい、どうぞ」
『ありがと〜』
透明ガラスの受け皿に綺麗にのったバニラアイス。
それやのにアイスを頼むとそれに満足してまうAさん。
今日も大きなあくびをひとつして、、
『はぁーあ、眠くなっちゃったっ、』
彼女は一口も口を付けずにいつもそのバニラアイスは形をなくす。
ほんま、バニラアイスが可愛そうやわ…
カウンター席に顔を伏せてほんまに寝てしまうのはAさんくらい、。
店の裏からいつもの様にブランケットを運んできて、、彼女の肩に掛けてあげる。
その時にふわっと香る彼女の匂いにちょっと理性が保てなくなった。
ほんまやったらこのままギュッて抱きしめてみたいんやけど、
" 酔ってたから何も覚えてない "
そんな言葉で片付けられるんが嫌やった。
それから数分が経つとAさんは朦朧とした中で目を覚ます。
ボヤッと長いまつ毛で瞬きを繰り返して
『あれ、アイス溶けてる…』
ぽわんとそれを見つめては、いつもの様に口の中に流し込むから変な気にもなってまう。
そして溶けたバニラアイスを飲み干すと
『バニラって溶けてもバニラだね』
当たり前の事を得意げに言う。
廉「何言うてんねん、当たり前です」
なんて突っ込みを入れると
『ふへっ』
へなへなっとまた伏せてしまったAさん。
無防備にも程がある。
ほんま隙だらけ…
いつどこで持ち帰られるか分からんから、ヒヤヒヤしとんのに当の本人は全然気にもしてへん。
そういうの平気なんかな?って思うけど
『むううぅ、…』
時々酔いつぶれた勢いで泣いとんねん。
なんか嫌な事でも忘れたいんかなって…
その綺麗な肌に伝う涙がいつも気になって、。
でもいつもの調子にその質問はあかん気がして、
でもまさかシラフの時に改まって聞けへんやん。
まずシラフで会ったことないねんけど、。
そこまでアホちゃうし…
じゃぁどうしろって言ったら
俺は床に落ちたブランケットを再びAさんの肩に掛けるだけ。
店のドアに掛けてあるそれをCLOSEにして静かにグラスを片付けた。
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ゆー - 前から見させて頂いていて、今回の小説も面白いです!更新楽しみにしております。 (2020年2月12日 1時) (レス) id: 7ed49a0414 (このIDを非表示/違反報告)
白米王女(プロフ) - もしよければ続きで裏出して欲しいです… (2020年1月14日 22時) (レス) id: 771a82acdb (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2019年10月27日 22時) (レス) id: a50c63b20c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2019年6月22日 20時