Vanilla_14 ページ14
･
結局、タクシーの中で眠ってしまったAさん。
当分は起きへんと思う。
...さて、問題はここからや、。
タクシーのおっさんに料金を払って、Aさんの手を肩にとりあえず外に出た。
廉「ちょッ...もう」
こういう時、ひょろ長いだけの自分の体型を少し恨んでまう。
軽々とお姫様抱っこ出来たらカッコいいんやろうけど、当の本人はもう夢の中。
出来ても出来んくても、Aさんには直接関係のないこと。
てかそんなんやり慣れてへん俺がやって、Aさんを怪我させる方があかんわ。
『んん〜廉くぅ〜ん』
ベッタリと密着されると気がおかしくなる。
廉「胸当たってんねんけどッ」
『ふふっ嬉しい？』
顔を赤らめたまま、本調子のAさんは今夜も記憶を無くすくらいベロッベロ。
廉「あほッ...ほんま誰かに襲われんで？」
階段の前で一度立ちどまり、Aさんを確認する。
ほんまは、おぶりたい所やけどよろめいたら二次災害...
廉「Aさん、ここ階段やで？」
肩は貸すけど最後まで自分の足で登ってもらうことにした。
でも本人と言ったら...
『抱っこ！！』
両手を広げて待ち望んでいる。
もう、何やねんそれ...可愛すぎんねんいちいち。
廉「危ないから自分で上がって？」
『むぅ、...』
すんなり分かってくれるはずもなく、今度は子供みたいに唸り始める。
シラフのAさんが今の姿を知ったらどんな反応するんやろうか。
家に帰ってくるだけの事やのにタクシーから降りて何分掛かっんやろう...
廉「Aさん、鍵は？」
『ん』
キーケースから家の鍵をとり漁って、やっとの思いでドアノブに手を掛けた。
−−−ガチャッっ、。
『ふふっただいまぁ〜』
廉「うわッ...ちょッ、！！」
俺から離れたと思ったらふにゃりと形をなくして床に倒れてったAさん。
そのまんま爆睡...いや、ほんま最後の最後まで手間掛かんねんなこの人。
嬉しいような、記憶のない介抱はどこか悔しいような...
廉「なぁそこで寝たら風邪ひくからっ、ほら！！」
自分の靴を脱ぎ揃えて、再びAさんを肩に背負う。
廉「...おじゃまします」
勝手に入るんはホンマに今回だけ。
そう自分で理解しながら、Aさんの部屋の中へと足を進めた。
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ゆー - 前から見させて頂いていて、今回の小説も面白いです！更新楽しみにしております。 (2020年2月12日 1時) (
レス) id: 7ed49a0414 (このIDを非表示/違反報告)
白米王女(プロフ) - もしよければ続きで裏出して欲しいです… (2020年1月14日 22時) (レス) id: 771a82acdb (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2019年10月27日 22時) (レス) id: a50c63b20c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2019年6月22日 20時
