glassflower_9 ページ9
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食材がたくさん入ったそれも、紫耀は軽々と持ってくれる。
隣に並びながら歩いて帰っていれば、、
紫「何話してたん、?」
そんな不安に満ちた言葉が漏れた。
『・・、』
空気に消えたその言葉は紫耀に何を与えるのだろう。
私にはその先が想像出来なかった。
ちょっと気まずそう、、
だけどやっぱり気になるのだろうか。
『他愛ない話だよっ何買ったんですかー?って・・』
紫「楽しかった?」
『へ』
的確な事を二択で聞かれると、自分でもその答えをハッキリさせるのが怖い。
でも、空間そのものが華やかなのは確かで、、
『うん、懐かしかった』
ちょっと本音を漏らせば
紫「・・だよな、」
紫耀は言葉を切らした、。
そんな顔して欲しくて言ったわけじゃないのに、、
やっぱり私は傷付けてしまうらしい。
『紫耀、』
紫「ん?」
『・・ごめんね?』
何通りでも意味を読み取れる、万能といったらキリのない言葉。
あの人と違って、、馬鹿なんだよ私は。
紫「なんでAが謝んだよッ」
相手の気持ちを分かっていても、再びその人を傷付けてしまう、。
紫「謝んなきゃいけないのは俺なのに・・ッ」
愛されてるのに、そう分かっていて気持ちを返せない、。
だから余計、紫耀の傷を深くさせてしまうのかもしれない。
受け止めることで精一杯な私には、、人を愛せる器がなかった。
何も無い私は、見た目だけを綺麗にまとっただけで、、
中身はどうしようもないくらい空っぽなのだ。
だから未練なんて面倒くさいものをずっと身に付けているのかもしれない。
『違うよ紫耀っ、・・全部私が悪いの、、ありがとね?』
そんな私の脳裏にはしつこく色んな思い出が焼き付いていた。
だから嫌なんだ、、いちいちいちいち頭を悩ませてしまう。
誰かに照らしてもらわないと、綺麗になんか輝けない。
そんな無力な私は
あと残されたその時間を、
どう生きたら自分に納得するのだろう。
『なんで私なのかな、ッ?』
紫「・・っ、」
『なんでッ・・なんで・・・、、なんで優太だったのかな、、ッっ、?』
あの頃に、時を戻したい・・何度そう思ったことか。
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林檎(プロフ) - ドラマみたいで感動しました。映像化してほしいです (4月13日 18時) (レス) id: 84e97ac5a3 (このIDを非表示/違反報告)
まい - 涙が止まらなかったです。。。岸くんと華ちゃんが幸せになりますよーにと願ってしまいます。。。他の作品も拝見させて頂きましたがmuheさんの書く岸くんが素敵過ぎて岸くんにどハマり気味です 笑 (2023年1月4日 21時) (レス) @page49 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - ほんとに1人号泣しました。岸くんだからこの役合ってるなって思いますありがとうございます!!こんな素敵なお話を!とても切なくて悲しい話ですが (2020年5月19日 22時) (レス) id: 9698ee50ef (このIDを非表示/違反報告)
moca - 素敵な作品ありがとうございます。何度読んでも涙が止まらず、私が読んできた作品の中で1番に大好きな作品です。こんなに作品で泣いたのは初めてです!素晴らしい作品を書いて下さり、ありがとうございました! (2020年4月5日 21時) (レス) id: 039decc541 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 岸くんの素敵な人柄がそのままに出ている作品で、お話の内容も、本当に素敵で、読んでいて涙が止まりませんでした。今まで読んできた作品で1番感動しました。その作品を書いてくれて、本当にありがとうございます! (2020年4月3日 15時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年10月11日 19時