Glass Flower ~Yuta.Kishi~

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＊岸サイド





来た道を戻れば抜け落ちていた物が全部綺麗に埋まっていく。




岸「俺は今の今まで何してたんだよッ、！！」





あの時、･･Aを忘れてしまったあの日。




医者から説明を受けて病室に戻れば、シーツの上には一枚の封筒が置かれていて･･Aの姿はどこにもなかった。




ずっと不思議に思ってたんだ。





その封筒には名前が書かれていなかった。中に便箋も入っていない、。




でも、中身が空かと思えばそこには花びらが入っていて･･･全部が全部新しかった。





だからあの時は気づけなかったんだ。




でも、今なら全部が分かるッ、。





よく開店祝いで届ける花、とAが俺に教えてくれたその花は胡蝶蘭だった。





花言葉は･･･、 " 幸福が飛んでくる "





Aは俺を





『･･幸せになってね、ッ』





必死に忘れようとしていたんだ。





やっとの思いで辿り着いたのはさっきぶりの病院。





乱れた呼吸のまま、勢いよくその病室に入れば･･






岸「ハァッ･･ハァッハァッ･･･Aッ」





『っ、！』






地べたで倒れ込んでるAと支えようとしている紫耀がいた。







ふざけんなよ･･二人して、なんでそんな顔･･･ッ、目も鼻も赤くして、なに弱ってんだよッ、っ。






岸「ふざけんなよ･･なぁっッ！！」





『ゆッ･･、た、っ？』





岸「あん時もそうッっっ、勝手に居なくなんなよッ、！！」






俺の顔を見て苦しそうなAは、やっぱりずっと待ってくれてたんだ。






岸「二人で幸せになるって約束したじゃんッ！！お前がいないで幸せなんて俺はなれねぇんだよ！！ッ」




強く当たれば間に紫耀が入ってきた。





紫「やめて、待ってたよ･･ずっと岸くんが戻ってくるの、Aは静かにずっと待ってたよッ？･･だから、褒めてあげてよッ」




ボロボロと地面を濡らすAの涙は止む気配を作らない。





自分の指で拭おうとすれば





『いやっッ！！！今更っ･･離してよッ、！！』






Aは背中を震わせた、。





こんなに強がらせてしまったのは、、やっぱり俺のせいで、、





強引にも優しく抱きしめれば、強ばった肩はするりと力をなくした。






岸「ごめんなッ？気付くの遅くて、っ」






俺の袖をギュッと握れば君は隠していた弱さを全て俺に預けてくれる。






『･･ッ、ずっと待ってたッ』






岸「もう離れたりなんて、二度としないからッ」

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