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何度拭ったって涙は拭き取れなくて・・
紫「A、」
仕事が休みの紫耀に見つかってしまった、。
しかも、一番見られたくない顔を見せてしまった。
だから必死に涙を隠しては無理やり笑顔を作る。
けど、今更強がったってそんなの通用しなくて、
私が見ていた写真を缶の中に片付ける紫耀は顔を歪めていた。
紫「傷付くって分かってて、なんでこんな事すんの?」
前髪で表情を隠してそう聞いてくる。
確かに・・確かにそうなんだ。
昔の記憶に浸っても何も変わらない。
あの頃の私たちは、もうここにはいないから・・
そう分かってて、自分で自分の首を締めていた。
紫「なんで・・なんで俺じゃ駄目なのッ?」
胸の痛みは紫耀から移ったのか・・
それとも私が彼に移したのか、。
どっちにしろ、私達は無理と分かってても、これからもひたすらそれを求めるのだろう、。
『・・ごめんね、っ』
本当に便利で酷い言葉だと思う、。
ウエディングドレスを着たその一枚の写真だけは、やっぱり手元に置いておきたくて・・
蓋をした缶に再び手を伸ばした。
だけどそれは紫耀によって遮られて・・
−−−−ドサッ、。
残った片手で勢いよく押し倒されてしまう。
簡単に両腕を掴まれて呆気なく自由を奪われてしまった。
紫「なぁ、A」
いつだってずっと近くに居たはず、、なのに私は紫耀の気持ちにとても遠かった。
だんだんと距離を縮めてきた彼に、まだ自分は渋っていて、
紫「一回だけ・・一回だけでいいからッ・・だめッ、?」
そんな必死のお願いにも首を縦に振れず、、私はただ黙っていることしか出来なかった。
でも、一人でもがき苦しむ紫耀は見てられなくて・・
言葉を詰まらせながら伝えようとした。
『紫耀っ、あの、さ・・っ」
だけど紫耀は自分の顔を私の首元に埋めてきた。
全部を理解したって、得るのは切なさだけ・・
だから時の流れ方に背いていたかった。
『ねぇッ紫耀っッお願いだからッ聞いて?』
こんな事してもお互いが傷付いて、お互いが苦しむだけ。
もっといい方法を見つけたかったけど、、それが明確になる前にチクリと小さな痛み。
もう、拒み続けるのは紫耀に失礼だと、、
そう思い始めてたのに・・・
岸「すみませーんッ!!」
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林檎(プロフ) - ドラマみたいで感動しました。映像化してほしいです (4月13日 18時) (レス) id: 84e97ac5a3 (このIDを非表示/違反報告)
まい - 涙が止まらなかったです。。。岸くんと華ちゃんが幸せになりますよーにと願ってしまいます。。。他の作品も拝見させて頂きましたがmuheさんの書く岸くんが素敵過ぎて岸くんにどハマり気味です 笑 (2023年1月4日 21時) (レス) @page49 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - ほんとに1人号泣しました。岸くんだからこの役合ってるなって思いますありがとうございます!!こんな素敵なお話を!とても切なくて悲しい話ですが (2020年5月19日 22時) (レス) id: 9698ee50ef (このIDを非表示/違反報告)
moca - 素敵な作品ありがとうございます。何度読んでも涙が止まらず、私が読んできた作品の中で1番に大好きな作品です。こんなに作品で泣いたのは初めてです!素晴らしい作品を書いて下さり、ありがとうございました! (2020年4月5日 21時) (レス) id: 039decc541 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 岸くんの素敵な人柄がそのままに出ている作品で、お話の内容も、本当に素敵で、読んでいて涙が止まりませんでした。今まで読んできた作品で1番感動しました。その作品を書いてくれて、本当にありがとうございます! (2020年4月3日 15時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年10月11日 19時