雨男センパイ ~Yuta.Kishi~

rainyboy_16 ページ16

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吐き捨てるようにそれを残して





ズカズカ先に進んでく廉、。







あれ、もしかして･･本当は慰めたかったのかな？なんて少し期待を持ってみる。







だけど、そんなの私と廉の関係にはそぐわなくて







想像すれば綺麗な少女漫画の設定みたいで気持ち悪い。








『れん、』






廉「もう何っ？早よ行くでっ」







こっちに戻ってきたと思えば腕を掴まれて引っ張られる。






それが少し強引で、何かを誤魔化すようにしていた。







『私が失恋した時は笑ってね』







見上げて彼に伝える。






だけど、顔を曇らせた廉はすぐに返事をしてくれなかった。








廉「･･だったら」






『ん？』






廉「俺が失恋した時はちゃんと慰めろよ？」







ギュッと掴まれたところに力が入る。







それが何かに耐えているようで･･･







『え、廉って好きな人いるの？』






廉「さぁ」








なかなかはっきりと教えてくれない廉。






そういうのをなかなか言わないから気になってしまって







『ねぇ教えてよ･･うわぁ、ちょ、何？』






彼の顔を伺っていれば廉は急に私の目に手を置いた。






廉「ええからちょっと待てって」





『は？意味わかんないからっ！！てか何も見えないって！！』






彼の添えられた手を無理やり剥がす。






だけど、剥がした先に見えたのは








『････ッ、』







岸先輩と元カノさんが一緒に歩いている姿。







息をするのすら上手くできない。






なんで、一緒に歩いているの、？








廉「だから言ったやん、待てって」






廉の言う事をすんなら聞いてればいちいち傷付くこともなかったのかもしれない。






廉がしてくれた気遣いに少し複雑な気分だった。







廉「今日は俺の奢りやな」






『え？』







その光景から逃げるように私の腕を引っ張ってくれる廉、。








廉「慰めの会、やから落ち込むのは今だけにしとき？」






彼の口からそんな言葉が出ると思ってなくて、





何か裏があるんじゃないか、とか変に探りを入れてしまう。







『貶された方が楽なんだけど』







廉「はっ、偶にはええやろ？」







頭を優しく2回撫でられて、余計現状が分からなくなる。






今日の廉はなんか変だ。






だって笑っているのに、目は悲しそうにしてるんだもん。

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