cinderellaboy_35 ページ35
･
朝からザワつく岸くんのクラス。
学校中の噂が私の耳を悩ませた。
「ねぇ、出席簿取りに行ったら岸の名前なかったんだけど、何かあったの？」
「なんか辞めるかもって話だよ」
それはキンキン耳鳴りのようにうるさくて、私の頭を鈍器で殴るような暴力行為。
時間は決して待ってはくれない。
「え、まじでッ？･･なんで？」
「んーなんか親がリストラされたとか」
何もかも、終わったと思った。
心当たりしかなくて･･無防備だった昨日の自分を恨んでも恨みきれない。
私たちが昨日いたのは学校に一番近いコンビニ。
知ってる人に見られるリスクは充分にあって、それは綺麗に悲劇を生んでしまった。
−−−−キーンコーンカーンコーンッ。
私は授業が終わるチャイムと共に教室を出た。
息が上手くできなくて苦しいけど、それよりももっと心の中は苦しい。
私は普段の礼儀なんて忘れて、
勢いのままお父さんの部屋に入った。
−−−−ガチャンッッ！！！！
そこにはいつもどこか余裕のお父さんがいて
「ノックもしないで失礼にも程があるぞ」
こんな時でもお父さんはマナーに煩い。
『お父さんでしょッ！！！』
「何のことだ」
この期に及んで、知らばっくれるつもりか。
私はもう隠すなんて事はしない。
それで岸くんを傷付けるなら、いっその事手ぶらで闘う。
『岸くんだよッリストラするように仕向けたのってお父さんでしょッ！！』
収入源がなければ当然、学費も払えなくなる。
岸くんの事だから学校を辞めて、俺も働く･･とかとても言いそうだった。
『なんでそんな事するのッ？』
もう我慢ができない。
父親に怒鳴り声をあげるなんて初めてで･･
なのに、お父さんは変に冷静だからウワテな振る舞いに怖くなってしまう。
「お前に相応しいのは廉くんだ」
『････ッ』
それを決めるのはお父さんじゃない。
私自身なはずなのに、。
「いつまで夢を見てるつもりだ。大人しく親の言うことを聞け」
聞く耳すら持ってくれないお父さんに、今更私の気持ちをぶつけても何も通用しないだろう。
一気に崖から突き落とされた。
彼の家族まで巻き込んでしまう私って、一体･･
岸くん、本当にごめんなさい。
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まなみ - muheさん！この作品もめっちゃよきです！本当に好きです！！岸くん可愛い、かっこよすぎです．．．。これからも頑張ってください！応援してますっ！ (2019年12月23日 19時) (
レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です！悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます（*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした！とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです！最後の廉君が男らしくてかっこよかったです！主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください！面白かったです！ (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした！！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年7月29日 19時
