cinderellaboy_30 ページ30
･
変に気を使ってしまう神経のせいか、着慣れていない格好のせいか･･･
考えればどちらも当たっているが、、
廉くんの歩くスピードに合わせるのがやっとで、やっと近づいたと思ったら、また君は遠ざかる。
岸くんとデートする時はいつも決まってスニーカーだった。
ヒールなんてドレスを着る時にしか履かないから全く履きなれていなくて
指が擦れて地味に痛い。
彼の話に必死に耳を傾けるけど、やっぱり余裕はなくなるもので
廉「お前、歩くの遅いわ」
気を使ったりしない彼はズバッと物を言う。
それに文句はないけれど、
『ごめん、』
私は謝るしか方法を知らなくて、こうなるなら最初からヒールを履いてこなければ良かった。
廉「疲れたんやろ？･･ちょ、ここ座っとき」
近くにあったベンチに目線が行く。
彼はどこに行くのだろう、と思えば
廉「俺ちょっと買い物行ってくるわ･･絶対動くなよ」
廉くんは私に重ねて注意した。
建物の中に入ってく彼の背中を見てまた溜め息が出る。
はぁッ、廉くん･･全然楽しくないだろうな。
廉くんを慰めるデート･･そうなってはいるが所詮はただの口実。
私は彼に慰めのひとつもしていない。
なんならストレスに感じてないかな？･･なんて、
少し前の自分なら廉くんに暴言なんか平気で吐けたのに、時間というのは本当に分からない。
数分待ち続けていると、中から戻ってきた廉くん。
手には何やら大きめの紙袋を持っていて
廉「靴脱いで」
彼は紙袋から白い箱を取り出しながらそう言う。
全く先が読めなくてキョトンと固まっていると
廉「もう、早うし！！」
彼に急かされた。
浮腫んだ足はとても血行が悪く、指はパンプスの中で擦れていたのか赤くなっていた。
廉「やっぱりな」
彼が白い箱から取り出したのは、さっき買ってきたのであろう新品の靴。
それは華奢なリボンが付いたぺたんこ靴で
『え？』
廉「お前ヒール苦手やろ？」
男の人にはなかなか分かってもらえないから、なんて決めつけてたけど･･
彼は違かった。
『気付いてたの？』
廉「お見通しやって」
靴のサイズなんて、いつの間に把握していたのか、
廉くんが履かせてくれた靴はとてもピッタリだった。
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まなみ - muheさん！この作品もめっちゃよきです！本当に好きです！！岸くん可愛い、かっこよすぎです．．．。これからも頑張ってください！応援してますっ！ (2019年12月23日 19時) (
レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です！悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます（*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした！とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです！最後の廉君が男らしくてかっこよかったです！主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください！面白かったです！ (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした！！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年7月29日 19時
