cinderellaboy_21 ページ21
･
それは休日の夜。
大きなベッドの上で見つめるのは、誕生日に岸くんから貰ったネックレス。
それが本当に愛おしくて、身に付けるのがまだ勿体ない私は、それを箱にしまったまま毎日見つめていた。
今週は休日もバイトらしくて、なかなか都合があわない。
それはしょうがない事だからグッと耐えるけど、
目を閉じるとその裏に焼き付いた、岸くんの他愛もないあの笑顔。
『･･やっぱり会いたいな』
休日は学校がないから彼に会うことが出来ない。
だから余計に寂しくなってしまうのだ。
私は一旦、ネックレスをテーブルに置き
一度部屋を出てシャワー浴びる事にした。
この苦しみも全てシャワーのお湯と一緒に洗い流せたらいいのに、、
時々やってくるこの不安が私の背中に伸し掛る。
鼻にくるツーンとしたのも、目に上がってきた涙も、
シャワーで誤魔化すように一緒に流して、何もなかったかのように脱衣所から出てきた。
割と忙しくない時間帯の今、人けは少ない方なのだがメイドが私を見かけて声を掛ける。
「永瀬様がお見えですよっ」
『え、廉くん、？』
聞けば私の部屋で待っているとか･･
特に急な要はないのだが、まぁ、廉くんだったら暇つぶしとか言ってフラッと来そうでもある。
タオルで髪の毛の水滴を拭き取りながら部屋に戻れば、、
『なに、してんの？』
彼はテーブルに置いていたネックレスを手に取っていた。
なんか嫌な予感がして、てかまずネックレスを誰かに触られるだけで嫌だった。
『返してッ』
必死に手を伸ばすけど、長身な彼に勝てるわけがない。
廉「これ、そんなに大事なん？」
廉くんはこのネックレスが岸くんから貰ったものだって気付いているのだろうか。
ファッションブランドの相場を把握している彼ならとても有り得る。
『お願いだから返してッ』
私が伸ばした腕を容赦なく掴むと彼は吐き捨てるようにそれを言った。
廉「こんな数千円で買える安っぽいネックレスになんでそんな執着もってんねん」
『安っぽくなんか、ない･･』
どんなに綺麗な宝石よりも、何百倍だって価値がある。
なのに何で分かってもらえないのだろうか。
彼の目を見れば、何故か私よりも苦しそうな顔をしていた。
cinderellaboy_22→←cinderellaboy_20
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2327人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まなみ - muheさん！この作品もめっちゃよきです！本当に好きです！！岸くん可愛い、かっこよすぎです．．．。これからも頑張ってください！応援してますっ！ (2019年12月23日 19時) (
レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です！悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます（*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした！とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです！最後の廉君が男らしくてかっこよかったです！主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください！面白かったです！ (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした！！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：muhe
| 作成日時：2018年7月29日 19時
