cinderellaboy_15 ページ15
･
それから数日が経った。
あれから変わった事とというと何もなくて･･
『ねぇ岸くん』
岸「ん？」
お昼のこの時間だけは何がどう起きても絶対に変えたくなかった。
口をもぐもぐさせながら、キョトン顔で私を見てくる岸くん。
『今日、一緒に帰りたい』
いつも誘ってくれるのは岸くん。
たまには自分から約束がしたくって･･でも、
岸「わりぃ！！今日バイトっ」
彼は大きな手をあわせて申し訳なさそうに謝ってきた。
『あ･･そっか！、ううん、いいのっ』
正直、ちょっとガッカリはしたけれど、でもそれに文句とか言える立場じゃないし
しょうがないと割り切った。
岸「どっか行きたかった？」
『へっ』
いつも色んな話をしてくれる彼に興味津々な私は、まだまだ行ってみたいところが沢山あった。
だけど、今日は違う。
『ううん、今日誕生日だからさ･･一緒に過ごしたかっただけ』
ボソッと遠慮がちに呟けば、
岸「はッ？」
食べていたものが口から出そうになったのか、慌てて自分の口に手で蓋をした。
岸くんは目を見開いてあからさまに驚いていた。
岸「えっ、マジで？今日なのッ？？」
声を張って結構な勢いで言われる。
『うん、』
岸「なんで教えてくんなかったんだよッ空けといたのに！！」
その一言でもう満足だった。
小さい時から誕生日会だの盛大にパーティーの場を設けられていた私は、
自分の誕生日を派手に祝われるのをいつの日か嫌うようになっていた。
だからなかなか言い出せなかったのだ。
だけど、やっぱり誕生日は好きな人と一緒にいたいって欲が勝ってしまって･･
岸「あぁ、マジか･･」
こんな中途半端な事になってしまった。
なんか申し訳なくなってしまって話を切り上げようとしたのだが、
岸「俺、なんも用意してねぇわ」
君は本当に繊細だね、。
その気遣いがまた心に染みた。
『いいってッ私、物が欲しくて言った訳じゃないからッ･･気にしないで』
なんだか煮え切らない彼の表情に、
今度の休みにちゃんとどこかに連れてってもらおう。
そう思ったのだ。
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まなみ - muheさん！この作品もめっちゃよきです！本当に好きです！！岸くん可愛い、かっこよすぎです．．．。これからも頑張ってください！応援してますっ！ (2019年12月23日 19時) (
レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
☆pepe☆(プロフ) - とてもいいお話です！悲しい気持ちにもなりましたが、先がとても気になります(o^^o) (2018年11月13日 19時) (レス) id: 580217befb (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - muheさんのお話が大好きなので、続編は凄く嬉しいです(*´`)続編も絶対に読みます!いつも素敵な作品をありがとうございます（*'‐'*)♪ (2018年11月11日 8時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 凄くいい話でした！とにかく涙が止まりませんでした。廉君のファンなので廉君の小説も書いてほしいです！最後の廉君が男らしくてかっこよかったです！主人公と同じ気持ちだったらメンタルズタズタです笑とても良い作品だったのでまたかいてください！面白かったです！ (2018年11月11日 1時) (レス) id: 3c05e4ba15 (このIDを非表示/違反報告)
ひひひひ(プロフ) - みんな切なすぎて涙が止まりませんでした！！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: f98c1baa62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年7月29日 19時
