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『え、なんで・・わたし、大丈夫だよ?』
弱ってる私を慰めようとして言ったのかと思ったけど、、
紫「ううん、・・俺が大丈夫じゃない」
紫耀くんはゆっくりと私に近づいて、そっと抱きしめてきた。
廉とは違って、ただ触れるだけ。
感情を押し殺してるような、そんな偽りだらけの抱擁だった、。
紫「気付いてるでしょ、お互いに」
横から交わるように聞こえてきた紫耀くんの声、。
なんでも上手いようにやろうとしても、紫耀くんにはお見通しのようだ。
紫「なんで両想いって気付いてて素直に言わんの?」
素直に・・なってるつもりなのだが、
相手に伝わっていなければ何も素直とは言わない。
『廉に・・、嫌いになればええやん、って、言われたの』
紫「は?なんで・・」
廉のことを分かろうとしても全然分からないんだ。
こんなに想ってても、受け止めてもらえなかった。
ましてや嫌いになっていいなんて・・
『私の代わりになる人、他に誰かいたのかなッ、』
私が、廉に答えてあげられなかったから、
アメリカに行くって言われてそのまま送り出そうとしたから・・
ついてってあげる。・・その一言を言ってたら、何か未来は変わってたのだろうか。
紫「代わりなんているわけないやんっ」
紫耀くんは私から離れるとしっかりと目を見て教えてくれる。
紫「代わりがいないからAちゃんにぶつかるんやろ?」
それで嬉しいと思うのが正常なのか、わたしにはその感覚がまるでない。
ぶつかり合って得るものがあるなら、それで納得はするのだろうけど
ぶつかって、壊れるだけ壊れて・・
修復も見込みがないなんて、あまりにも悲惨で痛ましい結果だと思う。
紫「寄り添おうとして避けられるんやったら、あっちから来んの待ってればええやん」
待つ。
それは想像してる以上にとてもしんどい事、。
ただただ祈って、じっと待ち続けること。
いつになってもタイミングというのは神様にしか分からないから
その時間が耐え難く、
人はどんどん自暴自棄になっていく。
わたしに待つなんて・・出来るだろうか。
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しおり(プロフ) - むへさん。数ヶ月ぶりに読み返しました。相変わらず涙が止まらなかったです。 (2020年7月23日 11時) (レス) id: 44c0badaad (このIDを非表示/違反報告)
rnrn20(プロフ) - 最初から最後まで号泣しました。最高の作品ありがとうございます!! (2019年2月17日 22時) (レス) id: e66b1301c0 (このIDを非表示/違反報告)
みなる(プロフ) - Instagramから飛んできて最初に読んだ小説がこの話で言葉の選び方とかがすごく繊細でとっても感動して読むたびに涙が止まらなかったです!これからも頑張ってください!! (2019年2月17日 3時) (レス) id: e9f4ded0ca (このIDを非表示/違反報告)
あゆみん(プロフ) - 初めて、小説で泣きました!!!ほんとに感動しました!これからも頑張ってください! (2019年1月19日 1時) (レス) id: 6942929434 (このIDを非表示/違反報告)
平野かな(プロフ) - すごく感動しました!muheさんの作品本当に大好きです!!まだ見てない作品もこれから全て見ていこうと思います! (2018年9月13日 9時) (レス) id: 0d5cee7618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年6月22日 17時